2021年11月20日にロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1カタールGP予選Q3最終ラップの際のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のオンボード映像
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フェルスタッペン、F1カタールGP降格の危機…二重黄旗無視の疑いも”不可解”な点。ボッタスとサインツも追加召喚

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マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の最前列2番グリッドが危ぶまれる事態となった。F1カタールGPのスチュワードは20日(土)の予選を終え、ダブル・イエローフラッグ無視の疑いがあるとして召喚状を発行した。

スチュワードは決勝当日の現地11月21日(日)13時(日本時間19時)よりロサイル・インターナショナル・サーキットでフェルスタッペン並びにチーム代表者からの聴取を行い裁定を下す。

予選Q3の最終ラップでは、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)がターン15の縁石に乗り上げ、右フロントタイヤがパンクするアクシデントに見舞われた。3輪となったガスリーは片足を引きずりながら低速で最終コーナーを回り、ピットウォール近くで停止した。

フェルスタッペンのオンボード映像を見る限り、ホームストレート左側のマーシャルポスト20で黄旗と思しきものが振られているのが確認できる。ただし本来であれば表示されるはずのステアリング上のダッシュボードには何も警告がない。

更に不思議な事に、当該ラップでフェルスタッペンは、ポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデス)に0.455秒及ばないながらもコンマ1秒ラップタイムを更新している。

F1はアメリカGPより、ダブルイエローが振られた場合に自動でタイムを抹消する仕組みを導入した。本来であれば0.597秒落ちの前のラップがリザルトとなるはずなのだが、そうはなっていない。

参考までに予選中にラップタイムを抹消されたドライバーとしてFIAに記録されているのはミック・シューマッハ(ハース)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランド・ノリス(マクラーレン)の3名のみで、いずれもターン16ないしはターン2のトラックリミット違反によるものだった。

一体どういう状況だったのだろうか? レースコントロールは本当にイエローを出したのだろうか? セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)によると、どうやら一旦は黄旗が出されたものの、すぐに解除されたようだ。

フェルスタッペンの前方を走行していた4度のF1ワールドチャンピオンは「最終セクターで黄旗に捕まったけど、その後、解除された。多分、(タイトル争い中の)マックスが(後ろから)来ていたからだと思うけど」と語った。ベッテルはラップを放棄して10番手でセッションを終えた。

同じくフェルスタッペンの前を走っていた予選3番手のバルテリ・ボッタスもアクセルを緩めてはおらず「黄旗もそうだし、何も出ていなかった。後から聞いて知ったよ」と語っている。

当のフェルスタッペン自身も「セッション後に彼(ガスリー)がフロントウイングを壊したって聞いたけど、僕の方は何も問題なかった」と述べ、デブリや黄旗による最終ラップへの影響を否定した。

なおフェルスタッペンへの召喚発表から程なくして、ボッタスとカルロス・サインツ(フェラーリ)の追加召喚が発表された。ただこちらはダブルイエローではなくシングルイエロー無視の疑いとの事で、仮に責任を問われたとしてもフェルスタッペンより軽い罰則に留まるものと考えられる。

ダブル・イエローフラッグ無視の罪に問われた場合、フェルスタッペンは最速ラップタイムが抹消されるだけでなく、グリッド降格ペナルティが科される可能性がある。

黄旗無視は安全に関わる重大な違反であるため、重いペナルティが科される傾向にある。

例えばフェルスタッペンに関して言えば、2019年のメキシコGPで黄旗を無視して減速しなかったとしてポールポジションを剥奪された。ダブルイエロー無視の場合だと、今季開幕バーレーンGPでベッテルが5グリッド降格を受けている。

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