レーシングスーツに着替えながら笑顔を見せるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1バルセロナテスト3日目
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「文句なし、思い通りの展開」とフェルスタッペン、新型F1マシンRB16とテストの成り行きに満足

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マックス・フェルスタッペンの第一回プレシーズンテストはチームメイトよりも5時間早く終了した。21日午前のセッションを担当したフェルスタッペンは、10台中最多となる86周を走り込み、上位勢より2段階も3段階も硬いC2コンパウンドを履いて5番手タイムで今週の仕事を収めた。

今季選手権も直接のライバルとなる事が予想されるメルセデスとフェラーリは共に、レッドブルを2020年シーズンの序盤の本命だと考えている。開幕前テストの半分を消化した今、フェルスタッペンは今シーズンに向けて何を思うのだろうか?

「今のところ自信も不安もないね」とフェルスタッペン。史上最年少F1ワールドチャンピオンを狙うオランダ人ドライバーは、今重要な事はシーズンの行方を心配することではなく、マシンの性能を引き出す方法を見つける事と、シーズンを通して行われる開発の方向性を見出す事だと主張する。

「今はそんなに気にしてない。今はただ目の前のマシンパッケージに集中したい。だって自分でコントロールできるのはパッケージだけだからね」

「どうなるかはメルボルンに行った時に明らかになるけど、それで終わりってわけじゃない。オーストラリアに持ち込むパッケージは決して完璧なものじゃない。シーズンを通して多くの事に取り組んでいかなきゃならない。パーフェクトなんてありえないからこそ、僕らは全力を尽くし続けてるんだ」

これまでの2日間半のテスト内容を振り返ると、レッドブル・ホンダRB16は高い信頼性を発揮して順調に周回数を重ねており、明らかに有望な兆しを見せている。だがその一方でエンジンモードを抑えており、クイックラップらしき走行は殆ど見られず、ラップタイムには特筆すべき部分がない。

フェルスタッペンは今週3日間のテストで重要な事は、ラップタイムではなく走行距離だと強調。さらに、マシンは「文句なし」でテストの展開としては思い通りの状況になっていると語り、高い満足感を示した。

「全体としてよりまとまってきているように感じている。冬の開発期間の時にターゲットにしていた事だから驚くことじゃないんだけど、最初にクルマに乗ったときからそんな感じに仕上がっていた」

「成功するためには、クルマを完全に理解すること、そして大量にラップを重ねることが必要だと僕らは考えてるんだ。これまでのところ自分たちの仕事ぶりには本当に満足だよ。十分に走り込めてるし、すべてが非常にスムーズに進んでる。僕らが望んでいたのはまさにこういう状況だ」

チャンピオンシップ争いに向けて着々と準備を進めるレッドブルだが、メルセデスとの頂上決戦で打ち勝つために、ホンダには馬力だけでなく絶対的な信頼性が求められる。昨シーズンは4基のICE=内燃エンジンを投じ、規約違反という事でグリッド降格を受けているが、フェルスタッペンは「降格ペナルティなしにシーズンを終えたい」と付け加えた。