行方見えぬタイトル争い…なぜF1ラスベガスGPはフェラーリにとって正念場なのか、”先取り相殺”を目論むサインツの挑戦
2024年シーズンも3戦を残すばかりとなったが、コンストラクターズ選手権は依然として激しい争いが続いており、その行方はまだまだ分からない。
36ポイント差でマクラーレンを追うフェラーリは、F1ラスベガスGPの予選で2台揃ってライバルを上回る結果を残し、ギャップを縮めるためのチャンスを掴み取った。
カルロス・サインツは予選を経て、2位が現実的なベストリザルトだったと認めた。メルセデスが週末を通して他を圧倒していたためだ。
「一瞬、ポールポジションを取ったかと思ったんだ。最後にフィニッシュラインを通過したのは自分だと思っていたからね。でも突然、後ろからジョージが来てるって言われてさ」とサインツは振り返った。
「メルセデスは週末を通して速さを見せていたし、特に1ラップペースで僕らより一歩先行していたから、その時点でジョージがポールを取るだろうなと思ったよ」
「特にセクター1では、毎ラップでコンマ3~4秒、彼らに遅れを取っている。僕の方はセクター2と3はかなり良いんだけど、セクター1で彼らが少し速すぎるんだ」
とは言え、ラッセルとの差はコンマ1秒に過ぎなかった。サインツは、土曜のナイトレースで勝利を争えるペースがあると考えているが、同時にタイヤのグレイニングを上手く制御できなければ、チャンスはないとも見ている。
「勝利を争えるだけのペースはあると思う。ただし、不確定要素が多すぎて、断言することはできない。ポイントになるのはタイヤのグレイニングだと思う。どのチームがこれを上手く抑えられるかで勝負が決まると思う」とサインツは語った。
何にせよ、フェラーリは是が非でもベガスで大量ポイントを獲得する必要がある。それは単にマクラーレンとの差が36ポイントあるというだけでなく、次戦カタールGPで失速する可能性があるためだ。
「カタールについて少し心配してるんだ」とサインツは語る。
「ここのターン1やターン3は、カタールと全く同じタイプのコーナーだ。4速や5速での長い複合コーナーこそが、僕らが苦戦している部分だからね。今日の予選でもメルセデスに対してそのセクターでコンマ3秒遅れた。この手のコーナーが積み重なると、カタールは僕らにとって厳しいものになるはずだ」
「だから、明日、大量ポイントを稼げれば、カタールで失う可能性がある分を取り戻せるかもしれない」
2024年F1ラスベガスGP予選ではジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続いた。
決勝は日本時間11月24日(日)15時にフォーメーションラップが開始され、1周6201mのラスベガス市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。