角田裕毅「応えなければならなかった」劣勢からの逆襲7番手、その裏にあった”思い”
11月22日の2024年F1ラスベガスGP予選で、大健闘の7番グリッドを持ち帰った角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、後手に回りながらも週末を通してクルマの競争力を引き上げ、見事に挽回したチームの努力に「応えなければならなかった」と語った。
RBは初日FP1で、角田裕毅が19番手、リアム・ローソンが20番手に留まり、大きく出遅れた形で週末をスタートした。
車両パフォーマンス部門を率いるギヨーム・デゾトゥーによると、マシンバランスを適切に取ることができなかった上に、フロントタイヤのグレイニングによる偏摩耗がこれをさらに悪化させた結果、パフォーマンスが低下していたという。
それでも現場とファクトリー双方のエンジニアリングチームが問題の解決に取り組んだことで、セッションを経る毎にクルマをコースに最適化させていき、予選では中団トップを争うまでに競争力を高めることに成功した。
ラスベガス市街地コース初走行のリアム・ローソンは振るわなかったが、角田裕毅はQ1を10番手、Q2を8番手で突破。クルマを壁に当てることなく、ジワジワとタイムを削っていき、Q3ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を交わして7番手をマークした。
予選について振り返るよう求められた角田裕毅は、「週末の滑り出しは良いとは言えず、FP1は19番手と、かなり苦戦することになり、相当に厳しいスタートとなりましたが、そこから週末を立て直せたことは、チームにとって良かったと思います」と語った。
「今回のように、厳しい状況から巻き返せる週末はそう多くないと思うので、今後、似たような状況に直面したとしても、過去に乗り越えた実績があることがチームにとって良い方向に働くと思いますし、実際、何とかできるはずだという自信に繋がるはずです」
「なので、チームの功績を称えたいと思います。この結果に値する働きだったと思いますし、ハースや、特にピエール(ガスリー)が今日は良い仕事をしたので、尚更、僕としてもそれに応えなければなりませんでした」
7番グリッドという結果だけを見れば、大いに励まされるものの、アルピーヌのガスリーは2列目3番グリッド、ハースのニコ・ヒュルケンベルグは5列目9番グリッドと、コンストラクターズ選手権6位争いのライバルも着実に好位置を確保した。
逆転の6位を達成するために角田裕毅は、土曜のナイトレースでヒュルケンベルグを抑えつつ、ガスリーより前でフィニッシュするという厳しい課題に挑戦しなければならない。
決勝の見通しについて角田裕毅は「正直、楽なレースにはならないと思います。ペース的に予選でQ3に進出できるとも思っていませんでしたしね」と語る。
「それでも、できる限りのことをやるつもりです。何が起きるかは誰にも分からないですし、気温を含めて、この手のコンディションだと何度もセーフティーカーが導入される可能性もあると思います」
「なので僕らとしては、集中力を保って、できる限りのことをやるつもりです」
2024年F1ラスベガスGP予選ではジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続いた。
決勝は日本時間11月24日(日)15時にフォーメーションラップが開始され、1周6201mのラスベガス市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。