ハミルトン、一時は勝機見出すもレッドブル「一枚上手」で”大量失点”…最終盤に失速した訳は…
メルセデスAMGペトロナスF1チームはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われた56周のレースで激しく戦うも、ルイス・ハミルトンは惜しくも優勝を逃し、バルテリ・ボッタスはグリッドペナルティ分を挽回しきれず6位に留まった。
ハミルトンは絶好の蹴り出しを見せ、スタート直後のターン1のイン側に飛び込みマックス・フェルスタッペンを交わしてトップに出るも、最初のピットストップでアンダーカットを仕掛けられ2番手に後退した。
その後は2回目のピットストップに向けてチャンピオンシップのライバルとの差を縮めていき、スティントを引き伸ばすことで8周分のタイヤオフセットを作り、最終盤の争いに備えた。
チェッカーフラッグに向けハミルトンは、最終スティントでフレッシュタイヤの利を活かしてフェルスタッペンを猛追。コンスタントに38秒台後半を刻んでその差を見る見るうちに縮めていき、残り数周で照準を合わせるところまで迫った。
だが、フェルスタッペンの1.5秒以内に接近した途端にペースは一気にコンマ7秒近くダウン。結局、一度もDRS圏内に入る事ができず、1.3秒遅れの2位でフィニッシュした。
ハミルトンはペースダウンの理由について「ダーティエアーを受け始めた事でタイヤがオーバーヒートしてしまった」と説明した。
6基目のICE(内燃エンジン)投入で5グリッド降格の9番手からスタートしたボッタスは、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)の攻略に手こずるなどポジションを上げきれず、ファイナルラップでカルロス・サインツを抜き去るも6位に留まった。
この結果ドライバーズ選手権ではフェルスタッペン(287.5ポイント)がハミルトン(275.5ポイント)に12ポイント差をつけてリードを拡大。コンストラクターズ選手権ではレッドブルに23ポイント差まで詰め寄られた。
エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、ペース不足もさることながら、ICEの信頼性不足によってボッタスが沈んだ事で戦略の幅が狭まった事も敗因の一つとの認識を示して「2つのチャンピオンシップで大量ポイントを失ったことは残念でならない」とフラストレーションをあらわにした。
一時は勝機見出すもレッドブルが「一枚上手」
ルイス・ハミルトン決勝: 2位, グリッド: 2番手
まずはマックスにおめでとうと言いたい。今日の彼は本当に素晴らしい仕事をした。そして週末を通して熱狂的に応援してくれたオースティンの観客のみんなにもお礼を言うよ。
グランドスタンドは満員で、こんなにも素晴らしいファンの前でレースができて本当に光栄だ。
凄くタフなレースだったけど、一時は勝てるかもしれないって本当に思っていたし、全力を出し切ったけど、残念ながら勝つことはできなかった。
今日はただ、レッドブルの方が一枚上手で、僕らは太刀打ち出来なかった。リアも安定していたし横滑りも僕らより少なかったように見えたし、彼らのクルマの方が優れていた。
もちろんスタートは良かったし、終盤に向けて差を縮めていけたけど、最後の数周でダーティエアーを受け始めるとタイヤがオーバーヒートしてしまったんだ。
チームのハードワークと素晴らしいピットストップ作業に感謝したい。今回は手が届かなかったけど、次のレースに向けて頑張るよ。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは11月6日のフリー走行1で幕を開ける。