肘をつきながらモニターを眺めるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGP
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悲しみに暮れるフェルスタッペン「予選に参加するのも辛かった」思いやり溢れるマテシッツとの思い出振り返る

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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は「予選に参加するのも辛かった」と述べ、F1アメリカGP予選を数時間後に控えてこの世を去ったレッドブル創業者にして、キャリア初期から自身を支えてくれたディートリッヒ・マテシッツとの思い出を振り返った。

レッドブル・ファミリーに加わったのは2014年の夏のことだった。以来、今年を含めた2度のF1世界タイトル獲得を含め、フェルスタッペンはマテシッツが作り上げたチーム、環境、支援プログラムを通じてキャリアを歩み続けてきた。

マックス・フェルスタッペンと握手するレッドブル共同創業者のディートリッヒ・マテシッツ、2018年7月1日F1オーストリアGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペンと握手するレッドブル共同創業者のディートリッヒ・マテシッツ、2018年7月1日F1オーストリアGPにて

訃報を経て臨んだサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での予選では、1000分の92秒届かず3番手に甘んじたが、ヘルメットを脱いだフェルスタッペンは「予選に参加するのも辛いほどで、結果もあまり気にしていないし、どうでも良い」と悲しみを口にした。

「今日はそれどころじゃなかった。彼がチーム内の皆にとってどれほどの存在だったのか、F1やレッドブルで築き上げてきたものがどれほどのものだったのかを思うとね」

「僕にとってもそうさ。彼なしに僕はここに座っていないだろうし、成功する事もなかっただろうから」

「チームの誰にとっても本当に辛い出来事だよ。幸運なことに、僕は数週間前に彼に会って、少しではあるけど一緒に過ごすことができた。でも、やっぱり辛い」

「僕にとってのディートリッヒは、いつも本当に親切で思いやりがあり、前に出たがらず、いつも傍にいるのにカメラの前に出るのを好まないような人だった。でも個人的に親しくなると、本当に良い人だった」

予選を終えて報道陣からの質問に答えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

予選を終えて報道陣からの質問に答えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGP

「彼は大のレース好きだった。F1に対するコミットメントもそうだし、2つのF1チームを所有する位だったし、長年に渡って支援し続けてきた若手の数を見てもその事がよく分かると思う」

「個人的には、あんなにも若かった当時から僕の事を信じてくれて嬉しかったし、その関係を毎年深めていけたのが本当に特別なことだった」

「あの日々の事は永遠に忘れない。彼と最後に会った時の事、そこでの会話、そしてこれまでの日々をね。僕にとっては当時から本当に特別なものだったけど、一層、特別なものになった事は間違いない」

COTAはコース幅が広くオーバーテイクのチャンスは豊富であるものの、驚くべきことに予選結果が重要だ。2012年にカレンダーに加わって以来、フロントロー以外から勝ったものは1人もいない。

それでもなおフェルスタッペンは、決勝での勝利をマテシッツに捧げたいとの想いを胸に秘めている。

「もちろん僕らは頑張って予選で全てを出し切ったけど、残念なことに少しばかりミスをしてしまった」とフェルスタッペンは語る。

「でもまだレースは終わっていないし、明日は彼に誇りに思ってもらえるよう頑張るつもりだ」

後方のランド・ノリス(マクラーレン)をミラーで確認するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

後方のランド・ノリス(マクラーレン)をミラーで確認するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGP予選


2022年F1アメリカGP予選ではカルロス・サインツ(フェラーリ)がポールポジションを獲得した。2番手には僚友シャルル・ルクレールが続いたが、エンジン交換ペナルティを受けるため、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が最前列2番グリッドに並ぶ。

決勝レースは日本時間10月23日(日)28時にフォーメーションラップの開始を迎える。全20台は1周5516mのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を56周する事でチャンピオンシップを争う。

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