タイヤ交換作業に取り組むレッドブルのピットクルー、2022年7月2日F1イギリスGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1イギリスGP決勝グリッドとタイヤ戦略考︰角田裕毅はほぼ一択か

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7月3日(日)の日本時間23時よりシルバーストン・サーキットで開催されるF1第10戦イギリスGPの公式スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および決勝のタイヤ戦略を見ていこう。

今週末はフェラーリ勢を中心に計6台が何らかのパワーユニットのコンポーネントを交換しているが、降格ペナルティの対象となる者はなかった。

ギアボックスに関してはランド・ノリス(マクラーレン)が、ケース及びカセット、駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を新たに開封しているが、こちらも規定基数の範囲内だった。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」

今週末は珍しい事に、未だ一度もスチュワートによる審議が行われておらず、走行違反などによる罰則も皆無で、予選順位とグリッドとの間に相違はない。

想定されるタイヤ戦略

気紛れなブリティッシュ・ウェザー

兎にも角にもブリティッシュ・ウェザー次第。タイヤ戦略は大きく変わってくる。レース前半に雨が降る可能性はあるが、英国の気紛れな天気がどう転ぶかは誰にも分からない。

とは言え、終始ウェットという可能性も考えにくい。この場合、どのタイミングでインターミディエイトからスリックに履き替えるかが決定的な意味を持つ事になる。1周でも見誤れば大きくタイムを失う可能性がある。

クロスオーバーの一つの指標は1分38秒あたりだろうか。雨が止み、路面に水溜りがないという条件で、このタイムを切る頃合いが履き替えの目安となり得る。

主流は2ストッパー

ドライの場合、ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラはミディアムタイヤをメインとした2ストッパーが主流になると予想する。

シルバーストン・サーキットは高速のロングコーナーが多いため、特に左フロントタイヤの摩耗が激しく、基本的には1ストッパーを成功させるのは至難の業と言える。

理論上の最速ストラテジーはミディアム、ハード、ミディアムと繋ぐアプローチだ。

最初に2スティント連続でミディアムを履くと、最低2種類のコンパウンドを使用しなければならないルールを消化できない。最初にミディアム、ハードと繋いでおけば1ストッパーの可能性を残す事ができる。

2セットのミディアムがないマクラーレン勢と角田裕毅を擁するアルファタウリ勢は、ミディアム、ハード、ソフトという戦略が考えられる。気温が低いほど、ソフトが活きてくる。

何れにせよ、ミディアムスタートが主流となる可能性が高く、この場合は概ね15周~22周が最初のピットストップ・ウインドウとなるだろう。

2022年F1イギリスGP 決勝グリッド


52周で争われるF1イギリスGPの決勝レースは現地15時、日本時間23時にフォーメーションラップが開始される。日本ではDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 55 C.サインツ フェラーリ 1(-)
2 1 M.フェルスタッペン レッドブル・RBPT 2(-)
3 16 C.ルクレール フェラーリ 3(-)
4 11 S.ペレス レッドブル・RBPT 4(-)
5 44 L.ハミルトン メルセデス 5(-)
6 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 6(-)
7 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 7(-)
8 63 G.ラッセル メルセデス 8(-)
9 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 9(-)
10 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 10(-)
11 10 P.ガスリー アルファタウリ・RBPT 11(-)
12 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 12(-)
13 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 13(-)
14 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 14(-)
15 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 15(-)
16 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 16(-)
17 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 17(-)
18 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 18(-)
19 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 19(-)
20 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 20(-)

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