不満爆発ガスリー、一貫性欠くFIAを批判…ストロールの”走路外オーバーテイク”を不問

リタイヤを喫した後にピットレーンを歩くピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2023年7月9日F1イギリスGPCourtesy Of Alpine Racing

7月9日(日)のF1第11戦イギリスGPを経てピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、ランス・ストロール(アストンマーチン)にペナルティを科さなかったFIAスチュワードに対する不満を爆発させた。

ストロールは41周目のストウコーナー(ターン15)でコース外からガスリーをオーバーテイク。ガスリーはポジションを返上するよう要求したが、スチュワードは調査を行わず、トラック・リミットと見なして黒白旗を振った。

Courtesy Of Alpine Racing

ランス・ストロール(アストンマーチン)に先行するピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2023年7月9日F1イギリスGP決勝レース

英「Autosport」によるとガスリーは「コースを外れたらポジションを返さなければならない。単純な話だ」と述べ、調査を行わずペナルティも科さないというスチュワードの判断を批判した。

「コースを外れたらポジションを返す。僕はFIAからそう言われ続けてきた。僕はこれまで色んな状況下でその代償を支払ってきた」

「その一貫性がないなんて、兎に角、不公平だ。どうせ次のレースではコース外からオーバーテイクしても許されるんだろう」

「かと思えば突然、5秒ペナルティが科せられるんだ。全く理解できない」

ガスリーは1週間前のオーストリアGPで、トラック・リミットの累積によって計15秒ペナルティを受け、ストロールに9位を奪われたばかりだった。

「それは白か黒かの問題だ。コース上にいたのかコース外に出たのかどちらかだ。レーストラックから出てアドバンテージを得たなら5秒ペナルティ、さもなければポジションを返上する。いずれかだ」とガスリーは語る。

「先週末、僕はトラック・リミットで15秒ペナルティを受けたのに、今回はコース外から追い抜かれたのに何も起こらない。一体どうなっているのか、本当に訳がわからない」

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

タイヤ交換を終えてピットボックスからレーンに向かうランス・ストロール(アストンマーチン)、2023年7月9日F1イギリスGP

その後ガスリーはルフィールド(ターン7)で大外刈りを決めてストロールからポジションを奪い返したが、残り7周のターン17でイン側に飛び込んできたストロールが接触。右リアサスペンションにダメージを負い、足を引きずりながらピットに戻って完走18位扱いでレースを終えた。

一件についてスチュワードは、ターン16のエイペックスで先行していた点に触れて優先権はガスリーにあったと指摘すると共に、ストロールはターン17に向けてコースを外れた後、「ガスリーと衝突するような角度でコースに戻ってきた」として、ストロールに5秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積7点)を科す裁定を下した。

自らをリタイヤに追い込んだ接触についてガスリーは、ストロールはもっとスペースを残すべきだった主張すると共に、例えストロールに5秒が科されても「僕のレースが変わるわけじゃない。有り難い話だ」と皮肉った。


7月9日(日)にシルバーストン・サーキットで行われた2023年F1第11戦イギリスGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。

ハンガロリンクを舞台とする次戦ハンガリーGPは7月21日のフリー走行1で幕を開ける。

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