2人のF1王者、フェルスタッペンとハミルトンによる頂上決戦に大きな期待「かつてないほど接近している」
ブラフか真実かはさておき、王者メルセデスはプレシーズンテストで苦戦を強いられ、対照的にレッドブル・ホンダは昨季型マシンの課題を克服して好調を示した。こうした背景から2021年シーズンのF1開幕に向けて、ルイス・ハミルトンの快進撃に終止符が打たれるのではとの期待が高まっている。
V6ハイブリッドターボエンジンが導入された2014年以降、メルセデスはライバルチームを圧倒するパフォーマンスでタイトルを独占し続けてきた。特にハミルトンはこの7年間の中で6度に渡ってドライバーズチャンピオンを獲得。唯一これを阻止したのは同じチームのニコ・ロズベルグのみだった。
メルセデス&ハミルトン無双を止める事ができるドライバーがいるとすれば、それはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだ。2009年のF1ワールドチャンピオンであり、2018年に山本尚貴と共にSUPER GTを制したジェンソン・バトンは両者による激闘に大きな期待を寄せる。
Sky Sportsに出演したバトンは「ルイスとマックスの対戦は、まさに僕らが求めていたものだ。2人とも並外れたドライバーだからね」と興奮を隠さない。
「チームメイト同士でのチャンピオンシップ争いも素晴らしい事ではあるけど、異なるチームのドライバー同士で行われるならそれが最高だ。今のF1に必要なのはまさにそういう事だ」
「本当にエキサイティングだよ。マックスはいつものように全力を尽くしているし絶好調だ。思うに彼はガチでルイスに戦いを挑んでくるだろうね」
今年のプレシーズンテストは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、例年のカタロニア・サーキットではなくバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された。
カタロニアはマシンの総合力が試されるという点でシーズンの行方を占うに適したコースと言えるが、その点バーレーンはやや特殊だ。レッドブルは全体のタイムシートトップに立つなどバーレーンで印象的な速さを示したが、シーズンを通して継続的に高いパフォーマンスを発揮できるかは分からない。
しかしながらバトンは「バーレーンは典型的とは言えないサーキットで、(今回のテストでは)風が本当に強かった。でもヨーイングが大きい状態でダウンフォースが出ているならレッドブルにとっては最高だ。この部分は昨年の彼らの弱点だったからね」と前向きな展望を示した。
ハミルトン以外の最後のチャンピオンシップウィナーであるロズベルグは今も元チームメイトが最有力候補だと考えているものの、今年8度目のタイトルに挑むかつての旧友に牙を剥くドライバーがいるとすれば、それはフェルスタッペンだと考えている。
「シーズンを通してルイスをポイントで打ち負かし続けるドライバーを予測できないという点で、依然としてルイスが有力である事は確かだ」とロズベルグ。
「でもシーズン開幕を前にした現時点で、ルイスを破ってチャンピオンになれそうな確率という意味では、特にマックス・フェルスタッペンはかつてないほど接近している。これほど接近したドライバーはもう何年もいなかったように思う」
全23戦からなる今季の初戦、開幕バーレーンGPは3月26日-28日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。