イスタンブール・パーク・サーキットのピットウォールでくつろぐアルファロメオのチームメンバー、2021年10月8日F1トルコGPにて
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

F1トルコGP 決勝グリッド︰ペナルティ発生で計17台の並びが変動…タイヤ戦略は2ストッパーが有利か

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10月10日(日)にイスタンブール・パーク・サーキットで開催される2021年シーズンのF1世界選手権第16戦トルコGPの公式スターティング・グリッドが国際自動車連盟(FIA)より発表された。

グリッドに関しての注目ポイントは年間上限基数を上回るパワーユニットの投入によって降格ペナルティが科されたルイス・ハミルトン(メルセデス)とカルロス・サインツ(フェラーリ)、そしてダニエル・リカルド(マクラーレン)だ。

全17台の並びが変動

これにより予選12番手のエステバン・オコン(アルピーヌ)、13番手のジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)、そして14番手のミック・シューマッハ(ハース)の3名を除く全車のグリッドが変動した。

信頼性が疑問視されているメルセデスは週末に先立ち、ポイントリーダーのハミルトンに4基目のICE(内燃エンジン)とエキゾーストを投入した。ICEが年間割り当て上限を越えたため、10グリッド降格ペナルティが科された。

またフェラーリはFP1を前にサインツに対し、今季4基目となるICE(内燃エンジン)、TC(ターボ)、MGU-H、今季3基目のMGU-K、CE(コントロール・エレクトロニクス)、ES(バッテリー)、そして7基目のエキゾーストを開封。新型ハイブリッドを与えた事で最後尾スタートが確定した。

更に決勝に先立っては、予選16番手に終わったダニエル・リカルド(マクラーレン)が今季4基目となるメルセデス製ICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-Hを開封して最後尾スタートの宣告を受けた

今週末はバルテリ・ボッタス(メルセデス)とアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)の2名がギアボックスを新調しているが、いずれも降格の対象外だった。

なお予選ではフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がダブルイエローフラッグ無視の疑いで招集されたが、スチュワードはお咎めなしの裁定を下した。

現時点では未確定事項だが、予選16番手と下位に沈んだダニエル・リカルドが4基目のICEを開封してペナルティを消化する可能性があり、更にグリッドが変動する事もあり得る。

ポールポジションはボッタス。その隣にはタイトル争いでの逆転を目指すマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が並び、2列目には僚友カルロス・サインツの献身のチームプレイで上位にこぎ着けたシャルル・ルクレール(フェラーリ)とピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が続く。

タイヤ戦略は2ストッパーが有利か

ウォーターブラスト処理によって路面グリップが向上した一方でタイヤの摩耗率が高くなった事もあり、ピレリは理論上の最速タイヤ戦略をミディアムで1スティント、ハードで2スティントを走る2ストッパーと考えている。

次善策としてはミディアムからハードへと繋ぐ1ストッパーで、ミディアム2スティント、ハード1スティントの2ストッパーがこれに続く。つまり、ソフトタイヤでQ2最速を刻んだ角田裕毅を除くトップ10組には、幾つかの戦略的オプションがあるという事だ。

イスタンブール・パークでのピットストップによるロスタイムはシーズン最小の20秒であるため、原則的には2回のピットストップを行う2ストッパーの方が1ストッパーより有利と見られる。

2021年 F1トルコグランプリ決勝レースは、日本時間10月10日(日)21時にスタート。1周5,338mのイスタンブール・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1トルコGP 決勝グリッド

Pos No Driver Team Qualifying
1 77 V.ボッタス メルセデス 2(+1)
2 33 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 3(+1)
3 16 C.ルクレール フェラーリ 4(+1)
4 10 P.ガスリー アルファタウリ・ホンダ 5(+1)
5 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 6(+1)
6 11 S.ペレス レッドブル・ホンダ 7(+1)
7 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 8(+1)
8 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 9(+1)
9 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 10(+1)
10 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 11(+1)
11 44 L.ハミルトン メルセデス 1(-10)
12 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 12(-)
13 63 G.ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 13(-)
14 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 14(-)
15 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 17(+2)
16 99 A.ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 18(+2)
17 7 K.ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 19(+2)
18 9 N.マゼピン ハース・フェラーリ 20(+2)
19 55 C.サインツ フェラーリ 15(-4)
20 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 16(-4)

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