角田裕毅、ラウダの如きデ・フリースのフィードバックを絶賛…映画「ラッシュ」鑑賞
F1第11戦イギリスGPを以てアルファタウリを去ったニック・デ・フリースについて角田裕毅は、3度のF1ワールドチャンピオンに輝いたニキ・ラウダに触れて、その正確なフィードバックを称賛した。
2012年のフォーミュラ・ルノーから数えてこれまでに通算234戦を戦い24勝を挙げ、FIA-F2選手権とフォーミュラEでチャンピオンに輝いたデ・フリースは、アルファタウリ合流早々に2022年型F1マシン「AT03」が抱える弱点を見抜き、エンジニア達に「目覚めの一発」を与えた事が知られている。
英「Autosport」によるとハンガリーGPに先立ち角田裕毅は、F1ルーキーながらもモータースポーツで幅広い経験を積んできたデ・フリースのフィードバックは「本当に具体的」で、あれほど「各々のディティールを分かりやすく説明」するドライバーは「これまでに見たことがない」と説明した。
「どうして彼が過去にあれほどの成功を収めたのか納得できます。僕に足らないのはこういうところなのかもしれません」
「特にそういった点で、おそらくニックは僕が向上していくべき部分についての本当に良いお手本でした」
角田裕毅はまた、ラウダとジェームズ・ハントを描いた2013年公開の映画「ラッシュ」を見た事を明かし、そのクールで計算高い緻密なアプローチから「ザ・コンピューター」とも呼ばれたラウダのフィードバックに触れ、デ・フリースは「ニキ・ラウダみたい」だと評した。
「コーナリング中のクルマの挙動に関して彼は、ブレーキングから始めて、レイトエントリー、ミッドコーナーからの立ち上がりと、順を追って説明するんです」
「ただ各パートでのクルマの挙動を説明するわけではありません。彼の場合はもう少し突っ込んで、弱みとなっている欠点に触れるだけでなく、各々を解決するための選択肢や、今後の開発に向けた提案もするんです」
「僕が一番感動したのはアブダビテストの最終日でした。僕らのクルマをドライブした彼は、フロントウイングがコーナーを通してどのように振る舞うのかについて説明しました」
「それがほとんど的を得ていたんです。フロントウイングがコーナーを通してどれだけ反るのか、そのたわみがクルマの挙動にどう影響しているかということを」
「彼は僕らのフロントウイングの役割、どういう特性があって、何を目的にデザインされているのかを言い当てました」
チームのリリースに先立ち、英国ミルトンキーンズのファクトリーで偶然出会ったレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表から解任の知らせを聞いた角田裕毅はデ・フリースにメッセージを送った。
「言った方が良いのかどうか分かりませんでしたが、彼には僕が感じた事と、感謝の気持ちを伝えました。そうしたら本当に素敵なメッセージを返してくれました」
「もちろん僕らは友人同士です。彼は本当に良いヤツで、礼儀正しく、いろんな点で尊敬しています」
開幕から僅か10戦、それも調子が上向き始めたタイミングでの解任については「驚いた」と述べ、デ・フリースにもう少し猶予を与えるべきだったとの考えを示した。