手練デ・フリース、合流早々アルファタウリに「目覚めの一発」絶賛するトスト代表
アルファタウリのフランツ・トスト代表曰く、ニック・デ・フリースはチーム合流早々、2022年型F1マシン「AT03」が抱える弱点を見抜き、エンジニア達に対して「目覚めの一発」を与えたという。
FIA-F2選手権王者であり、フォーミュラEチャンピオンでもある28歳のオランダ人ドライバーは昨年、シーズンを通してメルセデス製F1パワーユニットを搭載する現行マシン3台に加え、旧型ではあるもののアルピーヌをドライブするという異例の経験を得た。
唯一無二のこの経験からデ・フリースは、ヤス・マリーナ・サーキットで行われた昨年のポストシーズン・テストでアルファタウリの2022年型F1マシンをドライブした際、その欠点をすぐさま見抜いたようだ。
英「Autosport」によるとアルファタウリの指揮官はバーレーンでのF1プレシーズンテスト初日に次のように述べ、デ・フリースが昨年のアブダビでエンジニアに警鐘を鳴らしてみせたのだと明かした。
「ニック・デ・フリースは本当にいい仕事をしている。とても経験豊富だし、28歳にして多くのレースとチャンピオンシップを勝ち取ってきた事が見て分かる」
「ジュニアシリーズ出身の若手でない限り、むろん新しいドライバーがチームに加わる時は常に幾つかの意見や技術的なアイデアを持ち込んでくる」
「ニックに関して我々は幸運だった。昨年、数多くのチーム、様々なマシンで経験を積んだ彼からエンジニア達は素晴らしい技術的なフィードバックを得たように思う」
「特に大量に周回を重ねたアブダビテストの後、幸いにも彼は多くの不満を口にしてくれた。これはエンジニアにとって目覚めの一発となった」
件の”一発”によってデ・フリースは具体的にどのようにチームに貢献したのかと問われるとトストは「長々としたTO DOリスト」だと述べ、「気に入ったよ」と付け加えた。
「うちのエンジニアたちは自分たちのソリューションが優れていると主張したがるところがあってね。だから本当に面白かった」
「私はいつも彼らに、『コンストラクターズ選手権で自分たちがどこにいるか見てみろ』って言っているんだ」
アルファタウリは昨年、重量超過と中高速域でのダウンフォース不足に足を引っ張られ、コンストラクターズ選手権9位という不本意な結果に終わった。
デ・フリースからのフィードバックが新車「AT04」にどのような影響を与えたのかは分からないが、バーレーンでのプレシーズンテスト初日を振り返った角田裕毅は前季型と比較して「明らかに進化」しており「十分なポテンシャル」があると太鼓判を押した。
トストはまた、デ・フリースの「プロフェッショナルな態度、自制心、シミュレーターに関するフィードバック、仕事のやり方に関する変更提案」に感銘を受けたとした上で、「彼はすぐにF1に適応してくるだろう。私は彼が最初の予選から活躍するだろうと期待している」と付け加えた。