角田裕毅、”祖父”のような関係のトスト引退宣言にショック…ベッテル後任説には異論

ガレージでスクーデリア・あrアルファタウリのフランツ・トスト代表と話す角田裕毅、2022年10月22日F1アメリカGP予選にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

自身にとって”祖父”のような存在でもあるアルファタウリのチーム代表、フランツ・トストの引退宣言を受け角田裕毅は、F1ドライバーとしてここまで成長できたのは彼のおかげだとしてショックを受けた様子を見せた。

トストの70歳引退計画

ミナルディ買収を経て誕生したトロ・ロッソのチーム・プリンシパルとして18年目を迎えた今年、トストは70歳になるまでチーム代表を務めるつもりはないとして、F1でのキャリアに終止符を打って趣味のスキーに興じるつもりだとカミングアウトした。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ファンの求めに応じてサインするスクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表、2023年4月1日F1オーストラリアGP

レッドブルのクリスチャン・ホーナーと並びトストは、誰よりも長く一つのF1チームを指揮し続けてきたチーム代表だ。これはライバルチームのそれと比べて頭ひとつ飛び抜けている。離脱の影響は決して過小評価できない。

1月20日生まれのオーストリア人マネージャーが古希を迎えるのは、次世代パワーユニット導入される2026年だ。

F1チーム代表の在任期間一覧(2023年)
代表者
チーム
在職年数
クリスチャン・ホーナー
Red Bull Racing
19年(2005年~)
フランツ・トスト
AlphaTauri
18年(2006年~)
トト・ウォルフ
Mercedes
11年(2013年~)
ギュンター・シュタイナー
Haas
8年(2016年~)
オトマー・サフナウアー
Alpine
2年(2022年~)
マイク・クラック
Aston Martin
2年(2022年~)
アレッサンドロ・アルンニ・ブラービ
Alfa Romeo
1年(2023年~)
フレデリック・バスール
Ferrari
1年(2023年~)
アンドレア・ステラ
McLaren
1年(2023年~)
ジェームズ・ヴァウルズ
Williams
1年(2023年~)

引退計画知らず動揺する角田裕毅

ポッドキャスト「Beyond The Grid」の中でF1ジャーナリストのトム・クラークソンからトストの引退宣言について問われた角田裕毅は「彼がそう言ったんですか!?」とショックを受けた様子を見せた。チーム内では特に、そういった話は出ていないのかもしれない。

「間違いなく寂しくなりますね」と角田裕毅は続ける。

「これまで多くの場面を共にしてきましたし、常に同じ考えを持って取り組んできました。彼はいつだってアイデアや方向性を与えてくれるリーダーシップに溢れる人なんです」

「チームマネージャーというのはチームによって役割がかなり異なるものだと思いますが、それでも彼はパドックで唯一無二の存在だと思っています」

「フランツからは常に100%のサポートを受けているので、彼がいなくなるとチームの中での居心地が悪くなったり、テンションが下がったりするかもしれませんね」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

スターティンググリッドで作業の様子を見守るスクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表、2022年8月28日F1ベルギーGP決勝レース

トストは祖父のような存在、と角田裕毅

トストとの関係について角田裕毅は、「ひょっとするとお父さん」のようだとする一方「おじいちゃんみたいな感じかも」とも笑い、「良いレースをしたら常に祝福してくれますし、毎回、応援してくれるのでいつも幸せな気持ちになるんです」と語った。

「去年のシルバーストンでの同士討ちのような愚かなことをすれば快く思わないでしょうが、同時に彼はいつも、次に向けて改善しなければならない点を指摘してくれるんです」

「厳しすぎるという事はありません。いつもドライバーの味方をしてくれますし、本当に感謝しています。だからドライバーとしてこれだけ成長できたのだと思います」

「もしあまりにも彼からのプレッシャーを感じていたとしたら、これほどの成長はなかったと思います。彼はいつだって支えになってくれますし、レースの事について彼と話すのは楽しいです」

Courtesy Of Honda

固い握手を交わす八郷ホンダ社長とフランツ・トスト代表、2018年F1オーストラリアGP決勝にて

昨年のイギリスGPで角田裕毅は僚友ピエール・ガスリーとの7位争いの最中に接触。完走こそ果たしたものの、車体を損傷してポイント圏外の14位でクルマを降り、ガスリーはリタイヤを余儀なくされた。

W入賞の可能性を掴みながらも一転、無得点に終わったレース後のトストの振る舞いについて角田裕毅は「 もちろん、殴ったりはしていませんよ!確かに、声はいつもより高かったですが」と振り返った。

「エンジニアルームにいた時、まずは『ユーキ、私のオフィスに来い。なんであんなバカなことをしたんだ』って言われました」

「ついてないことに、シルバーストンから空港に向かう道中のクルマも、イタリアへのフライトも彼と一緒だったんです! しかも渋滞が酷くて…僕にとっては本当に長い旅でした」

「なので忘れ去りたい思い出ではあるのですが、将来に向けて自分を向上させるために忘れてはならない事だと思っています」

ベッテル後任説には異論

ドライバーに寄り添うトストの後任に相応しい人物は誰なのか。

クラークソンから、トロ・ロッソでキャリア初期を過ごして4度のF1ワールドチャンピオンに輝いたセバスチャン・ベッテルの名前が出ると角田裕毅は「すごく興味深いですね」と賛同した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

スクーデリア・アルファタウリのチーム代表フランツ・トストとセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、2022年10月23日のF1アメリカGPを前に行われたディートリッヒ・マテシッツの追悼セレモニーにて

ただその一方で「チームマネージャーというのは少し違う気がします」とも述べ、トストの後を引き継いでチームを率いるというよりはむしろ、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコの後任として若手育成の責任者を務める方が向いているのではと主張した。

「個人的な意見としては、ヘルムートの役割に就くか、彼を手助けする可能性の方が高いのではと思います」

「F1で最も成功したドライバーの一人ですし、何でもできる人なので、若手の世話をするのも本当に上手だと思います」

「昨年の予選前のレースブリーフィングでは毎回、コースや縁石などの観点から改善が必要な箇所について口にしていました。真っ先に手を挙げるのは彼だったんです」

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