衝撃デビューの角田裕毅、思わず唸る名将ロス・ブラウン「近年のF1におけるベストルーキーだ!」
ミハエル・シューマッハと共にスクーデリア・フェラーリ黄金時代を築き上げた名将ロス・ブラウンは、2021年の開幕バーレーンGPで鮮烈デビューを飾ったアルファタウリ・ホンダの角田裕毅を「近年のF1におけるベストルーキー」と称賛した。
ホンダとレッドブル双方のサポートの下、キャリアを積み重ねてきた角田裕毅は、キミ・ライコネンやマックス・フェルスタッペンを彷彿とさせる驚異的なスピードで最高峰F1に到達すると、そのデビュー戦で類まれなる才能とスピードを知らしめた。
歴代F1ワールドチャンピオンや経験豊富なベテランが渦巻く中、初めて挑んだ予選Q1では全体の2番手タイムをマーク。Q2では戦略観点からミディアムタイヤを履いた事で上手くラップをまとめられず13番グリッドに留まるも、レースでは再び新人離れしたパフォーマンスを示した。
本人曰く「慎重に行き過ぎた」結果、序盤は一時16番手にまで後退するも、その後は憧れのフェルナンド・アロンソをオーバーテイクするなど怒涛の追い上げを見せて9位フィニッシュ。日本人ドライバー初のデビュー戦での入賞を飾ってみせた。
モータースポーツ担当マネージング・ディレクターとして今はF1の競技部門を束ねるロス・ブラウンは、若干20歳の日本の侍を「近年におけるF1ベストルーキー」との表現で絶賛した。
「角田裕毅には本当に感心してしまった。今週末に初めて会ったのだが本当に印象的な人物だよ。すごく愉快な男だし、クルマの中で彼が話す言葉遣いは少しフルーティーだ!」
「レースでは何度か才気あふれる魔法を見せてくれた。これが初のF1レースだという点を踏まえると、この先が本当に楽しみだ」とロス・ブラウン。
「彼は近年のF1におけるベストルーキーだよ。彼はこれまでに参戦したどのシリーズおいても素晴らしい成功を収めてきた。F1に昇格させるというレッドブルの判断は実に見事だ」
ロス・ブラウンは、鈴鹿サーキット全体が地鳴りのような歓声に包まれた1990年の鈴木亜久里や2012年の小林可夢偉による表彰台獲得の時ように、角田裕毅が鈴鹿F1日本GPで素晴らしい成績を上げる事を既にハッキリと思い描いている。
ロス・ブラウンは「我々は皆だれもが、鈴鹿のグランドスタンドが満員に溢れた栄光の日々と、日本人ファン達の情熱を覚えている事だろう。それが再び実現すると思うと信じ難いほどにワクワクするね」と付け加えた。