角田裕毅、“他チーム”へ「僕を選ぶべき!」8カ月ぶりF1実戦で存在感、F1公式も2027年シートの可能性上昇を指摘

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昨年の最終戦アブダビ以来、約8カ月ぶりとなるF1の実戦に向けて、角田裕毅(レーシング・ブルズ)がVCARB 03をシミュレーター上で試せたのは、レース前の水曜日だけだった。それでも2026年F1第12戦オランダGPを11位で終え、角田は短時間の走行ながらもパドックに自身の力を示せたとの手応えを口にした。

F1公式サイトも、角田が「1戦限りの出場機会を生かし、F1パドックで再び自身の存在をアピールした」と評価。レッドブル陣営で今後の道を見いだすことは「難しそうだ」との見方を示しつつも、他チームで機会を得られる可能性はオランダGP以前より「高まったはず」と指摘した。

8カ月ぶりの実戦、予選で速さ見せた角田

雨のパドックを傘を差して歩く角田裕毅(レーシング・ブルズ)とトレーナー兼パフォーマンスコーチのジョン・ヌーナン、2026年8月21日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

雨のパドックを傘を差して歩く角田裕毅(レーシング・ブルズ)とトレーナー兼パフォーマンスコーチのジョン・ヌーナン、2026年8月21日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)

角田は実戦から離れていた8カ月の間、4回の旧型マシンテスト(TPC)やシミュレーターを通して感覚を維持してきた。だが、今シーズンの新世代F1マシンを実際にドライブするのは今回が初めてだった。

わずか60分間のフリー走行1回目(FP1)を終えると、すぐにスプリント予選へ。それでもいきなりSQ2に進んで12番手をマーク。今季を通してVCARB 03を走らせてきたアーヴィッド・リンブラッドとの差を0.360秒に抑えた。

続くスプリントでは、ターン1でリンブラッドに軽く追突し、その混乱もあって順位を1つ落として13位で終えたものの、今季型マシンは「手順もデプロイのマネジメントも、全てがかなり違う」ため、「非常に有益」な学びの機会になったと角田は振り返る。

スプリント予選とスプリントを“プラクティス”と位置づけて適応を進めた角田は、本予選でその成果を示した。Q1最初のアタックではベンチマークとなるリンブラッドを0.333秒上回り、最終的に0.011秒差の8番手でQ2に進出した。

Q2ではスプリント予選と同じ12番手にとどまったが、リンブラッドとの差はスプリント予選よりさらにコンマ2秒も縮まり、0.102秒に収まった。

レーシング・ブルズの角田裕毅とアーヴィッド・リンブラッド、2026年8月20日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

レーシング・ブルズの角田裕毅とアーヴィッド・リンブラッド、2026年8月20日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)

ポイント圏迫る11位、F1公式も高評価

決勝ではピエール・ガスリー(アルピーヌ)を鮮烈な仕掛けで追い抜く場面もあり、一時9番手まで順位を上げた。終盤までポイント圏内を争ったものの、ガスリーに抜き返され、4.682秒差の11位でチェッカーを受けた。

角田はポイントを逃したことに悔しさをにじませながらも、8カ月ぶりの実戦で慣れないマシンを託された条件を考えれば、自身にできる仕事はやり切ったとの認識を示した。

「正直、自分が思っていたよりも早く適応を進めることができたと思います。昨年のアブダビ以来、この8カ月間で実際に走ったのは[TPCでの]4回だけだったので、それを考えれば、かなりうまくやれたと思います」

「レッドブルには感謝しています。シミュレーターなどを通じて、感覚を鈍らせないようにしてくれていました。この週末は本当に楽しめましたし、自分にできる限り100%を出し切ったと思います。かなりうまくやれたと思います」

「難しかったのは、ほとんどすべてですね。エネルギーのデプロイメント、ボタン操作、それ以外のことも含めて、覚えなければならないことがたくさんありました。すべての手順が違います」

ザントフォールト・サーキットでフランコ・コラピント(アルピーヌ)を抑えて走行する角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月23日(日) F1オランダGP決勝Courtesy Of Red Bull Content Pool

ザントフォールト・サーキットでフランコ・コラピント(アルピーヌ)を抑えて走行する角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月23日(日) F1オランダGP決勝

「今回のレースではデグラデーションへの対応も難しかったです。タイヤの劣化特性がこれまでとはかなり違っていて、適応するのは簡単ではありませんでした。それでもチームが本当に多くのサポートをしてくれて、できるだけ速く走れるようにしてくれました」

「もちろん、ポイントを取れなかったのは残念です。でも、最後の数周まで8番手、9番手あたりを争えていたことを考えれば、受け入れられる結果だと思います」

2027年復帰や如何に?「僕を選ぶべき」

F1公式サイトは角田の走りを「印象的なパフォーマンス」と評し、慣れないマシンでの堅実な走りを通して、現在シートを持たないドライバーの中でも「最も経験豊富で十分な実績を持つひとりであると周囲に思い出させた」との見方を示した。

一方、レッドブル陣営にはFIA-F2選手権首位に立つニコラ・ツォロフという有力なジュニアドライバーも控えている。F1公式サイトは、「レースシートの空きがほとんどないことを考えれば、角田がシートを得られる可能性は依然として低い」としつつも、オランダGP以前より状況が良くなったことは「確かだ」と指摘した。

車から降りて雨のパドックに降り立つ角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月21日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

車から降りて雨のパドックに降り立つ角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月21日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)

角田自身も今回の1戦を通して自身の力を示せたとの見方を示し、「他のチーム」に対して契約をアピールする茶目っ気を見せた。

「自分に何ができるかは分かっていますし、たった1レース、数セッションだけでも、パドックの多くの人たちに自分が何をできるかを示せたと思います。ポイント圏内に近いところで戦うこともできました」

「もちろん、ポイントを取れれば結果としてはもっとよかったですが、そのために自分にできることはすべてやったと思います」

「何の機会もなく、このレギュレーションで自分に何ができるかをパドックに示せないより、今回のようなチャンスをもらえた方が間違いなくいいです。全体としてポジティブな週末でしたし、自分が見せたパフォーマンスもポジティブだったと思います」

「あとは僕のマネージャーと、まだ来年のラインナップを決めていない他のチーム次第です。僕を欲しいと思うかどうか。でも、僕を選ぶべきだと思いますけどね!」

角田が言う「他のチーム(other teams)」が、レッドブル陣営を除外する意味合いを含むのかどうか、その真意は不明だ。だが、単に「ラインナップを決めていないチーム(teams)次第」としなかった点は興味深い。

2027年F1公式グリッド確定リスト
チーム ドライバー 契約期間
マクラーレン ランド・ノリス 複数年契約
オスカー・ピアストリ 複数年契約
メルセデス 未定 未定
未定 未定
レッドブル マックス・フェルスタッペン 2030年まで
未定 未定
フェラーリ ルイス・ハミルトン 2027年まで
シャルル・ルクレール 複数年契約
ウィリアムズ カルロス・サインツ 複数年契約
アレックス・アルボン 2027年まで
レーシング・ブルズ 未定 未定
未定 未定
アストンマーティン 未定 未定
未定 未定
ハース 未定 未定
未定 未定
アウディ 未定 未定
未定 未定
アルピーヌ ピエール・ガスリー 2028年まで
未定 未定
キャデラック バルテリ・ボッタス 2027年まで
セルジオ・ペレス 2027年まで

ファンステージで観客のキャップにサインする角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月21日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ファンステージで観客のキャップにサインする角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2026年8月21日(金) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)

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