
角田裕毅、マルコの”期待”に応えられず―迷走のサンパウロSP予選を総括するレッドブル顧問
2025年F1第21戦サンパウロGPの初日を終えて、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、走行時間のロスおよび、タイム差が拮抗する接戦であることを踏まえてなお、角田裕毅に「少なくともSQ2へ進出」することを期待していたと明かし、失望感を滲ませた。
クラッシュで失速、SP予選でも結果残せず
角田の週末は最悪の形で幕を開けた。週末唯一のフリー走行で、わずか4周目にターン4の出口で縁石に乗り上げてスピン。左フロントからバリアに接触し、前後ウイングに損傷を負って修復のため28分間をガレージで過ごす痛恨のスタートとなった。
続くスプリント予選では、1回目のアタックで最下位に沈み、最終アタックでは自己ベストを更新したものの、Q2進出ラインには0.251秒届かず、17番手のリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)から0.026秒差の18番手でセッションを終えた。
一方、2番手でSQ1を突破したチームメイトのマックス・フェルスタッペンとは、0.717秒という大差がついた。
マルコ、クラッシュの代償と指摘
角田自身はSQ1敗退について、FP1での走行ロスを直接の原因とは見ておらず、マシン側の問題の可能性を示唆している。だがマルコは、走行ロスによる影響があったことは「間違いない」との見方を示した。
そのうえで、「タイム的にかなりの接戦だった」としつつも、「我々としては、少なくともQ2進出を期待していた。だがそうはならなかった。それが現実だ」と続けた。
2026年に向けて残留の可能性を残していると見られる角田にとって、来季の体制決定を保留しているレッドブルの期待に添えなかったことは、決してプラスにはなり得ない。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージ内で走行準備を進める角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年11月7日(金) F1サンパウロGPスプリント予選(インテルラゴス・サーキット)
レッドブル全体を覆う“ダウンフォース不足”
ただし、角田のみが苦戦しているわけではない。最終SQ3へ進んだとは言え、フェルスタッペンも6番手に沈み、ポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)から0.6秒遅れという惨状だった。
マルコはその原因について次のように分析する。
「セクター1と3では、ノリスに対して数百分の1秒遅れといった状況だが、コーナーの数が最も多いセクター2では基本的にグリップがまったくない。つまり、ダウンフォースが足りていないということだ」
課題となっているのは、複雑でツイスティなコーナーが続くテクニカルなミドルセクターだ。フェルスタッペンはこの区間だけでノリスに0.4秒もの差をつけられた。
現在、マシンはパルクフェルメ規定下にあり、セットアップ変更は許されない。そのため問題の解決は少なくともスプリント後まで持ち越されることになる。
マルコは「スプリントレースまでに修正することはできない」と認めつつ、「ただ、(スプリントで)集めたデータを活用し、メインレースまでには改善して、もっと競争力を持たせられると思う」と前向きな姿勢を示した。
雨は“希望”か、それともさらなる苦難か
ダウンフォース不足の状態では、ウェットレースが予想されるスプリントで一層厳しい戦いを強いられる可能性が高い。しかしながらマルコは、ドライコンディションより表彰台の可能性は遥かに高いと考えている。
「マックスに頼るしかない。彼自身が違いを生み出すしかない」と語り、マルコはフェルスタッペンの“雨天での超絶走法”に期待を寄せた。
「雨が降るなら可能性はある。そうでなければ、チャンスはない」
2025年F1サンパウロGPのスプリント予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)をわずか0.097秒差で抑え、ポールポジションを獲得。3番手にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続く結果となった。
スプリントは日本時間11月8日(土)23時から、公式予選は同27時から1時間に渡ってインテルラゴス・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。