角田裕毅「実際には若干悪化したかも…」強みが損なわれたAT04、デ・フリースへの期待と学び
アルファタウリの2023年型F1マシン「AT04」について角田裕毅は、先代と比較した際、高速域でのグリップが向上した一方、低速でのパフォーマンスは逆に悪化した可能性があるとの考えを示した。
AT04、強みと弱みが反転
1秒差で惜しくも入賞を逃した初戦バーレーンGPを経て、第2戦の地、ジェッダ市街地コースに姿を見せた角田裕毅は「昨年と比べると、改善を目指していたエリアで一歩前進した事は確かだと思いますが、同時に、昨年の強みだったエリアの改善がイマイチで、実際には若干悪くなったのかもしれません」と語った。
「つまり一種のギブ&テイクのようなもので、今は高速コーナーより低速で遅れを取るようになってきています」
「高速でのグリップは若干改善させる事ができましたが、もっと全てをまとめ上げていかなければなりません」
2022年型「AT03」は特に高速域でのフロントが弱くダウンフォースが不足していたが、メカニカルグリップがしっかりしていた事もあり低速でのパフォーマンスは悪くなかった。
ジェッダ市街地コースはバーレーンと比較して低速コーナーが少なく、コーナー数はカレンダー最多の27個であるものの、ブレーキングが求められるのはターン1、4、13、22、27の5つしかない。
「バーレーンよりもサウジアラビアの方が少し前向きに捉えている」とする理由はこの点にあるのか? AT04は高速コーナーとの相性が良いのかと問われた角田裕毅は「ええ、そう思います」と返した。
デ・フリースからの多くの学び
コンストラクターズ選手権6位という目標達成に向けて激戦区、ミッドフィールドでライバルと戦い抜いていくためには、マシンの性能改善は勿論、チームメイトと揃ってレースで競争力を発揮していく必要がある。
ニック・デ・フリースはアルファタウリでの初戦となった前戦バーレーンをピエール・ガスリー(アルピーヌ)と並び最後列からスタートし、14位でフィニッシュ。上々の滑り出しを見せた。
経験豊富な年上のオランダ人ルーキーについて角田裕毅は「今はまだ新しいクルマについて学んでいる最中」でありパフォーマンス評価は時期尚早であるとしながらも、フィードバックという点に関しては逆に学ばされる事が多いと明かした。
「これまで経験を重ねてきた結果、僕はどこで限界までプッシュすればいいのかを理解していますし、スイッチ類の使用方法に関してもそうです。これは恐らく、チーム毎にかなりの違いがあると思います」と角田裕毅は語る。
「ですがクルマについての彼のフィードバックは間違いなくチームの助けになっていると思いますし、僕も彼から多くを学んでいます」
「彼にとってサウジを走るのは今回が初めてだと思います。学ぶという点では楽なコースではありませんが、同時に本当に、本当に楽しいコースなので、楽しめれば自然とステップアップしていけると思いますし、彼は間違いなく速いと思うので、今週末は良い仕事をしてくれると確信しています」