トヨタ、ル・マン24参戦を見据えた水素エンジン車両「GR H2 Racing Concept」発表
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トヨタは2023年6月9日(金)、将来的なル・マン24時間レース参戦を見据えた水素エンジン車両のコンセプトカー「GR H2 Racing Concept」を発表した。ル・マン24時間レースの期間中(6月9日現地9時30分~6月11日)、会場内のACO(フランス西部自動車クラブ)H2ビレッジにて展示する。
先日の「水素カテゴリーへ燃料電池車両に加え水素エンジン車両の参戦を認める」とのACOの発表を受け、サルト・サーキットでのACOのプレスカンファレンスに参加した豊田章男会長は、ル・マン24時間レース100周年の祝辞と並び、同社の水素エンジンレーシングカーを世界初公開した。
豊田会長は「モータースポーツでカーボンニュートラルを実現すること、それも、レースでのパフォーマンスや興奮を犠牲にすることなく、それを実現すること」を目指しているとした上で、GR H2 Racing Conceptは単なる新型レースカーではなく音も、トルクも、迫力も、すべてが揃った「ゼロエミッションで戦うレースカー」だと強調した。
GR H2 Racing Conceptは水素エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインを持ち、全長は5,100mm、全幅は2,050mmと発表された。
カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現に向けトヨタは、2021年スーパー耐久シリーズ第3戦より水素燃焼エンジンを搭載するカローラでの参戦を開始。最終戦までの約半年で、出力を24%、トルクを33%向上させ、異常燃焼の制御も実現するなど、ガソリンエンジン並みの性能にまで鍛え上げた。
そして翌年の12月にはタイのチャーン・インターナショナル・サーキットにて開催された「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」にも同車両を投入。今季のスーパー耐久第2戦では世界初となる液体水素を燃料とする水素エンジンカローラを投入して完走を果たした。
GR H2 Racing Conceptの発表を受けトヨタは声明の中で「“モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり”と“CN社会の実現”に向けた取り組みをさらに進め、新世代のル・マン24時間レースに挑戦していきます」と述べた。