トヨタ・レーシング・シリーズ、FIA公認「フォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権」に…F1目指す若手に更なる魅力

2020年2月6日にニュージーランド・プケコヘで開催されたトヨタ・レーシング・シリーズ第4戦レース1で2位表彰台に上がったM2コンペティションの角田裕毅Courtesy Of Red Bull Content Pool

ニュージーランドのフォーミュラ・カテゴリー、トヨタ・レーシング・シリーズ(TRS)が2023年シーズンより国際自動車連盟(FIA)公認シリーズとして再出発する事が決定した。F1デビューを目指す若手にとっての魅力が増大する。

TRSはFIAからフォーミュラ・リージョナル(FR)のステイタスを与えられ、「カストロール・トヨタ・フォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権(The Castrol Toyota Formula Regional Oceania Championship)」に改称される。

FRはF1を頂点とするシングルシーターのカテゴリー再編に伴い制定された新カテゴリーで、ヘイローを含むFIAの安全規格に則ったF3相当のマシンが使われる。270馬力のエンジンを含む車体のコストはFIA設定の世界標準価格が適用される。

日本においては全日本F3選手権改め、2020年よりフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップが開催されている。

多くのシングルシーター選手権が北半球を中心に開催されている事から、南半球のニュージーランドを舞台とするTRSは元々、キャリアアップを目指す若手ドライバーにとってオフシーズン中に研鑽を積む場として人気を博してきた。

FRステータスを手にした事でTRSのチャンピオンに対するスーパーライセンスポイントは従来の10ポイントから18ポイントへと大幅に増加する。

F1参戦に際しては原則として過去3年間で40点以上を獲得する必要がある。つまり2年連続でタイトルを取れば必要ポイントの大部分を積み重ねる事ができるようになる。

トヨタ・ガズー・レーシング・ニュージーランド・マネージャーを務めるニコラス・カイヨールは「トヨタ・フォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権は、FIAが定めるF1への道筋の中でこれまで以上に明確な位置を占めることになる」と語る。

「長年に渡るトヨタからの投資と選手権としての進化を経て、TRSはドライバーとジュニアチームにとって、このレベルで利用可能な最も安価で最も競争力のあるオプションになるだろう」

TRSは長年に渡ってF1ドライバーのためのインキュベーターとして機能してきた。

角田裕毅(アルファタウリ)やランド・ノリス(マクラーレン)、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)やランス・ストロール(アストンマーチン)、周冠宇(アルファロメオ)はいずれもF1到達前にTRSで腕を磨いた。

2023年シーズンの「カストロール・トヨタ・フォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権」は、1月13~15日のハイランド・モータースポーツ・パークで開幕。2月10~12日のタウポ・インターナショナル・モータースポーツ・パークで閉幕する。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

M2コンペティションから2020年トヨタ・レーシング・シリーズ第5戦に参戦した角田裕毅

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