小林可夢偉、トヨタWECチーム代表に就任…平川亮が中嶋一貴の後任として8号車をドライブ
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2021年12月6日、2022年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)体制発表を行い、小林可夢偉がTGR WECチームのチーム代表に就任した事を明らかにした。
小林可夢偉は従来どおり、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスとのトリオでGR010 HYBRID 7号車のステアリングを握り、タイトル防衛とルマン24時間レース連覇を目指すが、これと並行してドライバーとして培ってきた経験を活かしてチームを牽引していく。
引退した中嶋一貴の後任は平川亮が務める。2017年のSUPER GTチャンピオンはセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーと共にGR010 HYBRID 8号車を駆る。
中嶋一貴はドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO Racing Europe(TGR-E)の副会長に就任。TGR-Eでチーム及びドライバーのマネジメントの責を担うと共に、WECにおけるドライバーに焦点を当てた組織づくりを進めていく。
トヨタは今回の体制を「ドライバーファースト」と表現して「家庭的なチームづくりを最優先にチーム体制の改善を進めていく」と説明した。
TGR WECのマネジメントチームは2022年1月1日付で新たな体制に移る。これにあわせてTGR World Rally Team(WRT)でプロジェクト・ディレクターを務めている春名雄一郎が、WECチームでも同職に就く。
小林可夢偉
私を信頼してこの様な重責を任せてくれた豊田社長、佐藤プレジデント、TOYOTA GAZOO Racingに感謝します。大きなチャレンジであると共に、大きなチャンスでもあるこの新たな役割を成功させるために全力を尽くすつもりです。
世界選手権をドライバーとしてだけでなく、チーム代表としても戦うことを楽しみにしています。この新たな仕事に、私のレースドライバーとしての全ての経験を活かしていくつもりですし、とても良く知っている素晴らしいチームが私のミッションに協力してくれるでしょう。
多くの新しいマニュファクチャラーが戦いに加わってくるWECのハイパーカー新時代に向けて、我々TOYOTA GAZOO Racingも新たな挑戦へ向けての変革と準備を進めています。今回の新たなチーム体制への変更は、我々が油断することなく新たな戦いに挑むために重要なステップです。
一貴がチームに留まってくれることをとても嬉しく思いますし、彼のドライバーとしての視点は間違いなくTGR-Eのマネジメントを強化してくれるはずです。彼と共に「もっといいクルマづくり」を進めていくのが楽しみです。
そして耐久レースにおける新世代ドライバーとして亮が加わってくれることを歓迎します。彼はチームや仲間のドライバーのサポートを受けながら、必ずWECで大きな成功を収めてくれるでしょう。
中嶋一貴
私にとって家族のような存在であるWECチームの仲間と、これからもTOYOTA GAZOO Racingの一員として一緒にやっていけることを嬉しく思います。新たな役割に順応していく必要はありますが、ドイツ・ケルンの多くの仲間とは既にいい関係を築いているので、これから始まることを楽しみにしています。
WECはTGR-Eが関わっている多くのエキサイティングなプロジェクトの中のひとつですが、全てのプロジェクトが目指しているのは「もっといいクルマづくり」です。これらのプロジェクトに貢献し、TGR-EとWECプロジェクトを強化するために、全力を尽くすつもりです。
大きな責任のある仕事を任されることになりますが、このポジションを用意してくれた豊田社長、佐藤プレジデント、そしてTOYOTA GAZOO Racingに本当に感謝しています。
レーシングドライバーとして20年近く活動してきた、私のモータースポーツにおける経験や知識を活かすことができる新たな仕事が本当に楽しみです。
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing WECチームの一員、それもセバスチャンとブレンドンと共に8号車のドライバーになると決まって、ドキドキしています。
私自身は既にGR010 HYBRIDを3回テストしていますが、そのたびにクルマの理解を深めています。学ぶべきことはまだたくさんありますし、もっと、さらに自分自身を鍛えられると思っているので、プレシーズンテストが始まるのが楽しみです。
ル・マン24時間レースは私のレースキャリアにおいても大きな目標であり、既に2度LMP2クラスで参戦していますが、ハイパーカーで、あのサルト・サーキットを走り、優勝を目指して戦うことが待ち遠しいです。
私を信頼し、支援してくれたトヨタ、またTOYOTA GAZOO Racingの皆様に感謝いたします。耐久レース界のレジェンドドライバーである一貴さんに代わる、このチャンスを本当に光栄に思います。