トヨタ、F1復帰の噂に公式回答…ハースとの提携取り沙汰される中
米カナポリスに本拠を構えるハースF1チームとの提携を通してFIA-F1世界選手権への復帰を検討しているとの噂に対してトヨタは、否定も肯定もせず、その可能性を除外しなかった。
報道によるとトヨタは、F1シャシーの製造や独ケルンにある風洞の提供、タイトルスポンサー契約など、小松礼雄率いるハースとの間で様々な協力関係の可能性を模索しているとされる。
ル・マン24時間レースの際にTGRのホスピタリティで小松礼雄の姿が、そしてイギリスGPの週末にハースのガレージで加地雅哉TGRモータースポーツ技術室室長の姿が目撃されたことで噂に火がついた。
Planet F1によると、ハースとの提携やF1復帰に向けた検討の事実について尋ねられたトヨタの広報担当者は次のように回答し、その可能性を否定しなかった。
「この件に関しては、トヨタが今後もより良いクルマを作り続け、モータースポーツを通じて人材を育成していくという事実以外、特に言うことはない」
トヨタは2002年よりFIA-F1世界選手権に参戦。8年に渡って4輪最高峰のモータースポーツで戦ってきたが、世界的な経済危機を背景に2009年末を以て撤退し、以降はF1と距離を取ってきた。
しかしながら昨年9月、トヨタドライバーの平川亮がマクラーレンのF1リザーブドライバーに任命され、また今年はトヨタのドライバー育成プログラムに所属する宮田莉朋がF1直下のカテゴリー、FIA-F2選手権への参戦を開始したことで、復帰に対する期待が一部で高まった。
2019年以降、ハースは深刻な成績不振に陥り、昨年はコンストラクターズ選手権最下位に沈んだものの、今季は開幕12戦を終えてニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンが計27ポイントを獲得。現在、ランキング7位につけており、角田裕毅擁する6位のRBに4ポイント差と迫る活躍を見せている。
トヨタは、電動比率が高められ、100%持続可能な燃料が導入される2026年以降の次世代F1パワーユニット(PU)に関心を持っているとされるが、少なくとも現時点では独自PU開発の具体的な計画はないと見られている。