タチアナ・カルデロン、中南米出身の女性レーサーとして初めてF1マシンをドライブ「もうGP3マシンには戻りたくない!」
コロンビア出身の女性ドライバー、タチアナ・カルデロン(23歳)が10月30日(火)、メキシコで行われたアルファロメオ・ザウバーF1チームのプロモーションイベントに参加。2018年仕様のザウバーC37で23周、約100kmを走行した。ラテンアメリカ出身の女性レーサーが公式の場でF1マシンを走らせたのは今回が初めて。
今年イエンツァー・モータースポーツからGP3シリーズに参戦するカルデロンは昨年3月、フェラーリ製パワーユニットを搭載するスイスチームのテストドライバーに就任。フィルミングデイで許可されたイベント用タイヤを履き、エルマノス・ロドリゲス・サーキットで周回を重ねた。
「F1マシンでのドライブをどう表現して良いのか分からないけど、もうGP3マシンに戻りたくないわね!」とカルデロン。「素晴らしい経験でした。パワーもブレーキングもグリップ力も驚くほどだったけど、すごく気持ちよく走れたし、とても楽しかったです」
「レース競技を始めた時、いつか最高のクルマをドライブするんだって心に決めました。私の夢であり目標だったんです。ラテン・アメリカ人ドライバーとして、ここ以上にF1マシン・デビューを飾るのに相応しい場所はありませんよね」
ザウバーのトラック・エンジニアリング部門を率いるセビ・プヒョラーは、今回のカルデロンのドライビングを高く評価し、引き続き成長を見守っていくとの考えを示した。
カルデロンはメキシコの大手通信業者テルメックスからのスポンサードを受けており、その一環で今回の走行が実現。女性ドライバーが最後にF1マシンをドライブしたのは、2015年に引退した英国出身のスージー・ウォルフまで遡る。今年ヴェンチュリのフォーミュラEチーム代表を務めるウォルフは、ウィリアムズ時代に2回のフリー走行出走を果たしている。
カルデロンは来シーズン、F1直下のFIA-F2選手権にステップアップする事を目標に交渉を進めている。1976年の第11戦オーストリアGPでイタリア出身のレラ・ロンバルディオが12位完走を果たして以降、女性としてF1の決勝レースに出走した者は一人もいない。