アストンマーチンF1チームのオトマー・サフナウアー代表、2021年F1イタリアGPにて
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

サウナウアー代表、アストンマーチンF1離脱…次世代マシン開発に「2年以上」を費やしてきた”あのライバルチーム”に移籍?

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アストンマーティンF1チームは2022年1月5日、チーム代表兼CEOのオトマー・サフナウアーがチームを去ったと発表した。後任は未定。当面はリーダーシップチームによって運営される。

サフナウアーは2009年にフォース・インディアに加わり、ローレンス・ストロールによる2018年のチーム買収を経てチームがアストンマーチンへと改称された後も引き続きトップを務めていた。シルバーストン本拠のチームでの経歴は12年に及んだ。

レーシング・ポイントのチーム代表兼CEOを務めるオトマー・サフナウアーCourtesy Of Force India

レーシング・ポイントのチーム代表兼CEOを務めるオトマー・サフナウアー

チームは昨年9月、パフォーマンス・テクノロジー部門のグループCEOとして、元マクラーレンF1チーフのマーティン・ウィットマーシュを起用した。チーム代表兼CEOの立場を危ぶむ声に対し、サウナウアーは自身への影響を除外した。

だがその後、ライバルチームであるアルピーヌへの移籍話が勃発。サウナウアーは当初、長期契約を理由に「事実に基づかない単なる憶測」と全面的に否定していたが、結局、2022年シーズンを前にチームを離脱した。

アストンマーチンは声明の中で次のように述べた。

「チームに対する過去12年間の献身に感謝したい。彼が今後、新たなチャレンジに挑む事は疑いない。将来の成功を願っている」

「幸いなことにチームは有能な人々によって運営されているため、新たなチーム体制を発表する前に、少し時間をかけてオプションを検討することにした」

「我々の現在の焦点は、2022年シーズンの開幕に向けて可能な限り競争力あるマシンを準備する事にある」

アストンマーチンはフロア形状を含む昨年のレギュレーション変更に上手く適応できず、コンストラクターズ選手権4位と健闘した2020年より118ポイントも低い77ポイントに留まり、7位でシーズンを終える厳しい結果に終わった。

アストンマーチンからアルピーヌに移ると噂されているのはサウナウアーだけではない。”ピンクメルセデス”の由来となったフォース・インディア時代のタイトルスポンサー、BWTもまた、英国エンストンのチームと交渉中とされている。

アルピーヌの将来はそれほど洋々たるものなのだろうか?

アルピーヌは過去3年近くに渡ってほぼ同じ仕様のパワーユニットを使い続ける事で開発のリソースを他のエリアへと振り分け、次世代車両が導入される2022年に焦点を合わせてきた。

エグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーは、現在のチーム間序列を大きく揺るがしかねない来季マシンの開発に「2年以上注力してきた」として、新時代での見通しを「有望」と語っている。

アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキー、2021年3月13日のバーレーンテストFIAプレスカンファレンスにてCourtesy Of Alpine Racing

アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキー、2021年3月13日のバーレーンテストFIAプレスカンファレンスにて

サフナウアーの後任人事に加えて、アストンマーチンはレッドブルで空力責任者を務めていたダン・ファローズの着任時期についても交渉を進めなければならない。

チームは既にテクニカルディレクターとしてファロウズを迎え入れる事を発表しているものの、レッドブルとの契約終了日について今も交渉中とみられている。