レッドブル、F1スペイン予選でフェルスタッペンに計測中止令…その理由とは?
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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は6月3日(土)の予選で後続を0.462秒引き離し、自身初となるF1スペインGPポールシッターの称号を掴み取ったが、レッドブルがQ3最終アタックの中止を命じなければ、ギャップは更に大きなものとなっていた可能性がある。
Q3最初の計測ラップで暫定ポールに立ったフェルスタッペンは、隊列最後尾から最終ラップに向かい、セクター2通過時点で自己ベストを0.136秒上回る全体ファステストを刻んでいたものの、先行していたルイス・ハミルトン(メルセデス)が5番手をマークした直後、アクセルを緩めてラップを断念した。
予選を終えてフェルスタッペンは「Q3に向けて、クルマのポテンシャル的にまだかなりのものが引き出せる事は分かっていた。1回目のランで初めて限界までプッシュできたんだけど、クルマは本当に速かった」と述べ、経緯を説明した。
「2回目のランに向かうと、どうやら”GP”はちょっと興奮していたみたいで、中止するよう言われてね。本来ならもっと良いタイムが刻めたはずなんだけど」
”GP”ことレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼは何故、フェルスタッペンにラップを止めるよう指示したのだろうか? 最終コーナーでグラベルに突っ込むリスクを恐れたのだろうか?
「違うよ、単にタイヤを温存するためだったんだ」とフェルスタッペンは説明する。
「分からないけど、ひょっとすると明日のレースで必要になるかもしれないからね」
「前もってガレージでも言われていたんだけど、もし僕の前に誰もいなかったらフィニッシュさせないかもって話だったんだ」
「まあおかげでエンジン全開で最終コーナーを走れなかったけどね。もちろん、試す必要はなかったわけだけど、もし最後までやらせてもらえてたら試しただろうね」
「FP2でかなり近いところまでいったんだけど結局試せず仕舞だ。残念ながら明日、試すわけにもいかないし」
予めラップの中止を計画していたという事は、レッドブルはフェルスタッペンのポールの可能性を高く見積もっていた事を意味する。フェルスタッペンは自身の予選結果について「週末に先立って期待していた通りの場所」だったと明かした。
フェルスタッペンのポールは多くが予想したところであろうが、その後ろに続いたのはカルロス・サインツ(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)、そしてピエール・ガスリー(アルピーヌ)という意外な顔ぶれだった。
フェルスタッペンは笑みを浮かべながら「カルロスがここにいるのも想定内だけど、ランドに関してはまさかって感じだね。良い意味で驚いたよ」と語った。
「いやいや、ごめん!マクラーレンが来るとは思ってなかったって事さ。言い直さなきゃね。いつだって僕はランドが上位に来るって期待してるよ」
「アルピーヌもいい感じだけど、最近、かなり改善していたから僕にとっては衝撃って感じじゃないね」
2023年F1スペインGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)、3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間6月4日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,657mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様は期間限定キャンペーン中のDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。