F1スペインGP 最速タイヤ戦略と残存セット数:上位勢の中で唯一新品ソフトを保持するフェルスタッペン
2021年シーズンの第4戦スペインGP決勝レースが日本時間5月9日(日)22時にブラックアウトを迎える。カタロニア・サーキットでの66周のレースを制するのは誰なのか? ドライバー毎の残存タイヤセット数と、ピレリが考える最速のタイヤストラテジーをまとめる。
公式タイヤサプライヤーのピレリは今回、前戦ポルトガルと同じく最も硬いレンジのC1(ハード/白)、C2(ミディアム/黄)、C3(ソフト/赤)のラインナップを持ち込んだ。決勝がドライコンディションの場合、各車は最低2種類のコンパウンドを使用しなくてはならない。つまりピットストップが必要だ。
各ドライバーの手持ちタイヤは以下の通り。全車がハードとミディアムの新品を保持しているものの、ソフトタイヤに関してはバラツキがある。トップ10組の中で新品ソフトを保持しているのは2番手マックス・フェルスタッペンのみだ。
予選が行われた土曜と同程度に路面気温が上昇(最高42度)するとの前提に立つと、カタロニア・サーキットでの66周のレースは2ストップ戦略が主流になる可能性が高い。それは以下の理由による。
- タイヤの摩耗やデグラデーションが比較的激しい
- ピットストップによるタイムロスが少ない
- ハードタイヤが遅い
ピレリが考える理論上の最速ピットストップ戦略は、いずれもソフトとミディアムを使った以下の2種類の2ストッパーだ。
- ソフト(19周)ー ミディアム(28周)ー ソフト(19周)
- ソフト(16周)ー ミディアム(25周)ー ミディアム(25周)
なおピレリのF1部門を率いるマリオ・イゾラは、同じ2ストッパーの中でも2スティントをソフトとする「スプリント戦略」が主流になるとの見方を示している。
1ストッパーの場合は原則としてハードタイヤを使う事になると見られるが、計算上では上記ストラテジーと比較して確実に遅いとの事で、ソフトとの組み合わせの場合はソフトで25周、ミディアムとの場合はミディアムで30周程度を走る必要がある。
いずれにしてもスタート時はソフトかミディアムを履くであろう事から、最初のピットストップ・ウインドウは19~30周目になるものと考えられる。
スタート時にポジションを失うリスクが高いため、Q3進出組の中でミディアムを選んだ者はなく、トップ10は全車がソフトタイヤを履いてグリッドに付く。11番手以下は通常通り自由にタイヤを選択できる事ができる。