
“オグたん”小倉茂徳さん逝去─F1含む日本モータースポーツ界を支え続けた解説者
F1中継の落ち着いた語り口と、深い知識に裏打ちされた解説で知られたモータースポーツジャーナリストの小倉茂徳(おぐら・しげのり)さんが2025年5月14日、自宅にて心臓突然死のため逝去された。享年62歳。突然の訃報に、ファンや業界関係者からは大きな驚きと深い悲しみの声が寄せられている。
小倉さんは1962年東京都生まれ。大学卒業後一般企業に就職するも、翌1987年よりホンダF1チームの現地広報と現地のホスピタリティユニットの運営管理を2シーズン担当。1992年までホンダF1に関する広報業務に携わった。
1996年よりフリーランスとなり、以後約30年にわたり、各種媒体への寄稿、国内外での現地取材、そしてレース中継での解説など多彩な活躍を続けた。その博識ぶりと、モータースポーツに限らず鉄道や特殊車両など“乗り物全般”に対する深い造詣から、ファンや同業者からは“オグたん”の愛称で親しまれていた。
2025年5月に入ってからもサーキットでの取材活動を続けており、今後の中継出演予定も多数抱えていた矢先での急逝だった。現場主義を貫いたその姿勢は、最期の瞬間まで変わることはなかった。
葬儀は5月22日に近親者のみにより執り行われたが、今後はモータースポーツ関係者を中心とした「お別れの会」の開催も検討されている。