シリーズ:F1史に残る名勝負を無料で見よう!1回目は2016年の雨のブラジル…驚愕の走り再び

雨の波乱:2016年F1ブラジルGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2020年シーズンのF1世界選手権は中断を強いられており、世界中のF1ファンは退屈な日常に耐え忍んでいる事だろう。そんななか朗報が舞い込んだ。F1は公式に今後数ヶ月間に渡って、歴史に残る名勝負となった過去のクラシックレースを無料ストリーミング配信する。

第一回目は2016年のブラジルGP。本来であれば第2戦バーレーンGP予選が行われるはずだった協定世界時3月21日(土)15時、日本時間同日24時から配信される。配信は公式YouTubeチャンネルの他、Facebookページにて行われる。

既にコンストラクターチャンピオンを獲得していたメルセデス。ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグはタイトル戦の真っ只中にあり、いずれもが同士討ちを恐れる事なく王座を懸けてレースに臨んだ。ロズベルグにとっては勝てば19ポイント差でのタイトルが懸かった大事な一戦であったが、ディフェンディング・チャンピオンのハミルトンはそれを簡単には許さなかった。

最終戦を1レース残す中、逆転タイトルに望みを繋ぎたいハミルトンは、3ラウンドの予選全てで優勢を保ちシーズン19回目のポールポジションを獲得。ロズベルグは0.102秒差でP2に並んだ。唯でさえタイトルが懸かった緊張の一戦であるにも関わらず、この日のインテルラゴスには猛烈な雨と風が吹き荒れ、ファンは信じがたい名レースを目撃する事となった。

あまりのコンディションの悪さ故に、7番手スタートのロマン・グロージャンがレコノサンスラップ中に13コーナーの立ち上がりでウォールに突っ込みレース前にまさかのリタイヤ。路面には多くの川と水溜りができ、レースはセーフティーカー先導のもとでスタートしたものの、ホームストレートでは大量の水しぶきが上空高くに舞い上がり、サーキットの至るところで壮観なスピンとクラッシュが発生。幾度となくレッドフラッグが振られた。

そんな悪条件のなか、スクーデリア・トロロッソからレッドブルへと移籍し、そのデビュー戦となったスペインで初優勝を飾った当時19歳のマックス・フェルスタッペンは、トリッキーなコンディションを物ともせずに、ただ一人だけドライコンディションの中を走るかの如く、誰もが足を滑らせる場所でグリップを見つけ出し、圧巻のパフォーマンスを発揮。アイルトン・セナの再来とまで評価された。

若き才能が開花した一方、このグランプリはフェリペ・マッサの母国引退レースとなるはずであったが、ロズベルグがこの年のチャンピオンを獲得し電撃引退を発表したことでウィリアムズへの残留が決定。ほんの数十秒間だけワールドチャンピオンとなった2008年のブラジルの時と同じく涙を流したマッサにとっては、まさに”泣き損”のレースとなった。

F1ブラジルGP特集

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