予選後の記者会見でマイクを握るポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年4月19日(土) F1サウジアラビアGP(ジェッダ市街地コース)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルスタッペン、RB21の“当たり”引き当て逆転ポール―その裏にあった微調整

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2025年F1第5戦サウジアラビアGP予選において、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンがジェッダ市街地コースのコースレコードを更新する驚異的なアタックを披露し、今季2度目のポールポジションを獲得した。

初日フリー走行では苦戦を強いられていたフェルスタッペンだが、FP3および予選に向けたセットアップ変更が奏功。最終プラクティスから予選への変更は「微調整にすぎなかった」としながらも、「夜になってクルマが一気に仕上がった」と手応えを語った。

「最後にいくつか変更を加えたら、すごく楽しくドライブできるようになったし、グリップも感じられた。ここはコースの周りを壁が囲んでいるから、予選のラップは恐ろしいほどに難しく、完璧に決めなきゃならない。だからポールを取れて本当に満足してる」

具体的に、どのような方向性でセットアップを変更したのだろうか?

この問いに対してフェルスタッペンは、「じゃあセットアップシートでも配るか(笑)」と冗談を交えながらも、「同じことを繰り返しても学べない。うまくいくこともあれば、そうじゃないこともある。全部記録して、そこからまた新しいことを探っていく。今日もそれをやっただけだよ」と答え、RB21への理解を深めるための継続的な作業の一環だったと説明した。

ポールラップそのものについては、「限界を攻めたクリーンなラップだった。ターン22なんて、ブレーキングがバンピーすぎて何も見えない。でも、攻めなきゃポールは取れないからね」と語り、リスクとリターンの狭間を見極める高度な判断力をうかがわせた。

ランド・ノリス(マクラーレン)のクラッシュにより赤旗が出されたことでQ3戦略の見直しを迫られたが、「2ラップ分の燃料を積むというGP(ジャンピエロ・ランビアーゼ、レースエンジニア)の判断が正しかった」とチームの判断を称賛。「少し遅くはなってしまうけど、1本目は燃料重めで走って、2本目を新品で全力アタック。それで結果が出せた」と振り返った。

パルクフェルメで互いの健闘を称え合うポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)と2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2025年4月19日(土) F1サウジアラビアGP予選(ジェッダ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

パルクフェルメで互いの健闘を称え合うポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)と2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2025年4月19日(土) F1サウジアラビアGP予選(ジェッダ市街地コース)

フェルスタッペンはこれまでに幾度となくRB21の扱いづらさに言及しているが、今回の成果はその克服の一歩となるかもしれない。

「僕らのクルマは当たり外れが激しくて、うまく決まれば競争力があるけど、外れると本当に難しい。今回は予選全体を通して良かった」とフェルスタッペンは語る。

「バーレーンと比べると、ここは高速コーナーが多いし、路面も全然違う。それがタイヤにも大きく影響する。バーレーンのように、回頭性が求められるミッドコーナーやロングコーナーがあるコースでは大苦戦するけど、ここでは少し競争力があるように思う」

「解決したとは言わないけど、少なくとも今回は、少しはプッシュできたし、僕らが抱えている弱点に、もう少しばかり上手く対処できているように思う」

サウジアラビアGPでは、過去4大会中3回がポール・トゥ・ウィンで決着しており、ポールからの勝率は実に75%に上る。にもかかわらず、フェルスタッペンは決勝レースに向けて「正直、今のところ自信はない」と語り、慎重な姿勢を崩していない。

「ロングランのペースは、オスカー(ピアストリ)やランド(ノリス)と比べて良くなかった。ただ、昨日よりはマシになってると思う。今日の変更がタイヤのライフに効いてくれればいいんだけど、どれだけ効果があるかは分からない」

「今日のクルマの反応を見る限り、少しは良くなってるはずだけど、ミディアムではそんなに競争力があるとは思わないし、ハードに関してはまだ試してないから分からない。様子見だね」

マクラーレン勢との激しい戦いが予想される中、フェルスタッペンが決勝で、この勢いをどこまで維持し、レースを掌握できるかが注目される。

縁石にフロアを打ち付け火花を散らしながら走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)の1号車RB21、2025年4月19日(土) F1サウジアラビアGP予選(ジェッダ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

縁石にフロアを打ち付け火花を散らしながら走行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)の1号車RB21、2025年4月19日(土) F1サウジアラビアGP予選(ジェッダ市街地コース)


2025年F1サウジアラビアGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間4月20日(日)26時にフォーメーションラップが開始され、1周6175mのジェッダ市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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