アルファロメオ・ザウバーF1チームは2月20日、2018年シーズンのF1参戦マシン「C37」を正式発表、複数のレンダリングイメージと動画を公開した。昨年のザウバーは1年落ちの旧式フェラーリエンジンを搭載していたが、今年は2018年仕様の最新版フェラーリPUを積む。

名門ザウバーはここ数年、財政面で厳しい状況に置かれてきた。シーズン中の開発に投じる予算が限られたことで、イベントを経るに従ってライバルに引き離されるシーズンが目立っていた。

だが、今季はFCA傘下のアルファロメオをタイトルスポンサーに迎えたことで、財務状況が改善。PUサプライヤーのフェラーリとのパートナーシップ強化によって、ランキング最下位脱出を目指す。

ザウバーC37 全体像

C37は昨年までとは異なる空力コンセプトに基づいて開発された。レギュレーション変更に伴うシャークフィンとTウイングの廃止と同時に、改良された新しいエアロパッケージが搭載される。

© Sauber Motorsport AG

エンジンカバーに四つ葉のクローバーを意味するアルファロメオの紋章「クアドリフォリオ」がプリントされている。パット見では「ザウバー」の表記は殆ど目に入ってこない程小さく掲載されている。

ザウバーC37 詳細

コックピット保護のための「ハロ」にフェアリングが搭載されているのが確認できる。

空力刷新によりシーズン中の開発が可能に

テクニカルディレクターを務めるヨルグ・ザンダーは、刷新された空力コンセプトと最新仕様のフェラーリPU搭載によって、パフォーマンスの大幅な向上と共に、シーズン中の開発が可能になると主張する。

「C37のフィロソフィーは昨年のC36とは大きく異なる。我々は空気力学的なコンセプトを刷新した。C36と比較すると、C37には複数の新しい機能が備わっている」

「新しいコンセプトの採用によって多くのチャンスを手に入れる事できるだろう。シーズン中に改善していく事も可能だしポジティブだ。2018年のフェラーリエンジンの搭載によって、パフォーマンス面でも大きなブーストを得ることができる」

ドライバーラインナップに自信

C37の発表に際して、チーム代表のフレデリック・バスールはマシンのみならずドライバーラインナップの重要性を強調、復活への強い意思を改めて示した。

「我々はここ数ヶ月に渡って多くの努力を重ねてきた。今日新しいマシンをローンチできて嬉しい。マーカスとシャルルのラインナップは完璧だ。一人は経験豊富なドライバーであり、もう一人は有望なルーキーだ」

「マーカスとは4シーズン目になるが、彼はチームの貴重な一員であり、彼の経験と的確な技術フィードバックはとても有益だ。シャルルは既に他のシリーズでその才能を示しており、今季はF1に挑む事になる」

「2018年の目標は、ライバルに追いつきパフォーマンスを向上させる事に他ならない。C37の開発には多くのエネルギーを注いできた。継続的に我々を支え続けてくれたパートナーとファンの方々に感謝している」