ロッシCEO、低迷アルピーヌF1に憤慨「責任を負うのはサフナウアー」シーズン途中の再編を警告
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アルピーヌのローラン・ロッシCEOは、パフォーマンスの改善なき場合、2023年シーズン末を待つことなくチームに変更を加えると警告し、責任を負うのはチーム代表を務めるオトマー・サウナウアーだと強調した。
アルピーヌは昨年、コンストラクターズ選手権4位に浮上したものの、2023年に向けてはオフシーズン中に掲げた1周あたり2秒とも噂される野心的な開発目標を達成できず、今季5戦を終えた時点でランキング6位と、上位4チームとは既に64ポイントもの大差で遅れを取っている。
成績不振は信頼性やパフォーマンスといった2023年型「A523」の性能不足もさることながら、オペレーションミスというチームの不甲斐ない運営に依るところも大きい。
第5戦マイアミGPでは8位と9位を獲得し、ダブル入賞という有望な結果で終えたものの、開幕バーレーンGPではエステバン・オコンが1レース中に3度のペナルティを受け、第3戦オーストラリアでは同士討ちによりWポイントを逃し、第4戦アゼルバイジャンでは車両火災やクラッシュにより劣勢を強いられた。
マイアミでのレースに先立ち、チームのオペレーションを趣味・道楽的と形容して「受け入れられない」と断じ、ミスの責任を取らないのは「許されない」と不満をあらわにしたロッシはF1とのインタビューの中で、昨年の結果を下回れば「失敗」と見なすと語った。
「チームは(昨年)4位を獲得した。つまり4位になるリソースがあると言うことだ。ライバルよりもね。だから4位になってほしいと思っている。もしそうならなければ、それは失敗だ」とロッシは語る。
「もし、500%のベストを尽くして好転させ、その上で失敗したなら情状酌量の余地はあるだろうし、将来に向けても良い兆候となるだろう」
「だがそうでなければ、ビジネスのルールとして然るべき結果を迎えることになる。シーズン末まで待つつもりはない。現状は好ましくない。早急にチームのマインドセットを正す必要がある」
仮にロッシが求める水準の結果を残せなければ、その責任を問われるのはチーム代表のオトマー・サフナウアーだ。
エステバン・オコンとピエール・ガスリーは「最善を尽くしている」としてロッシは、チームの問題をドライバーのせいにするつもりはないとした上で「それはオトマーの責任だ」「彼はチームのパフォーマンスに責任がある。それが彼の仕事だ」と強調した。
またチームの苦戦については、昨年は7位と低迷しながら今季はコンストラクターズ選手権2位を争うまでの大躍進を果たしたアストンマーチンを引き合いに出し、リソース不足によるものではないと指摘した。
「私が知る限りアストンは、我々よりもエンジニアの数が少ない」
「まだ自前の風洞もなく、(建設中の)ファクトリーも現時点では稼働していない。それでも優秀な人材を引き入れ開発を加速させている」
「つまり創造性と効率性が重要だという事だ。それがこのゲームのルールなのだ。だから申し訳ないが、リソースは言い訳にはならない」
レッドブルやメルセデス、フェラーリに匹敵するようなインフラを持ち合わせているわけではないものの、アルピーヌはあらゆる分野に多額の投資を行っており、今後10年間は規定上限目いっぱいの予算を投じる計画だ。
ロッシ同様、ルノーのルカ・デメオCEOがこの状況を快く思っていない事は明らかだが、ロッシは「ゼロリスクだ」と述べ、F1からの撤退の可能性を強く否定した。