トロロッソ、旧型PUへの載替えによる戦力ダウン認める「ストレートでの競争力が低下」
スクーデリア・トロロッソのパフォーマンスエンジニアを務めるギヨーム・デゾテウスは、”スペック2″エンジンへのロールバックによって直線区間での競争力が落ちたと述べ、最新版スペック3の実戦投入が先送りとなった事で戦力が低下したことを認めた。
ホンダはF1ロシアGP開幕2日目を迎えた29日(土)、初日に投入し成果を上げていた最新型エンジンの継続使用を断念し、旧型のスペック2でFP3以降のセッションに臨む事を決断。予選及び決勝での実戦投入は、翌週に控える鈴鹿での日本GPまで先送りされた。
旧型に乗せ戻したことで戦力ダウンしたという事実は取りも直さず、ホンダが開発した最新鋭のスペック3の性能が向上している事の裏返しである。トロロッソは予期せぬ形で後退を強いられる事になったものの、デゾテウスは最新スペックエンジンの実戦投入を見送ったホンダ側の決断を全面的に支持している。
旧型エンジンへの載替えによって戦力がダウン
ギヨーム・デゾテウスパフォーマンスエンジニア
FP3では2台ともが予定していたプログラムを完了する事ができて順調なセッションになったよ。グリッド降格を考慮して、今日は普段のFP3ではあまり行わないロングランに時間を割く事にしたんだ。そのおかげでドライバー達は、今週末重視していた決勝レースにおける燃料とタイヤのマネジメントについての理解を深める事が出来た。
パワーユニットを旧型に戻したことによって、昨日と比べてストレートでの戦力が少し落ち、若干後退を強いられた。新しくアップデートされたPUは、キャリブレーションやシャシーとのマッチング調整など、一部のエリアについてもう少し作業が必要だって事が分かったんだ。グリッド降格は元々決定していたことだし、ホンダの決断には我々トロロッソ側も完全に納得している。
予選セッションは計画通りに進める事が出来た。ピエールはアタック1周目から速さを見せ、見事にQ1を突破してくれた。前走のマシンのスリップストリームを上手く使いタイムアップを果たした部分はあったけど、それがなかったとしても常にQ2進出に足るペースで走行できていたと思う。ペナルティによる降格が決まっていたから、Q2は出走しない事にした。
ブレンドンの方は少し苦戦してしまい、残念ながら最初のアタックではQ2へ進出できる速さを示せなかった。これに加えて、アタック2周目の時はシロトキン(Williams)が原因の黄旗の影響で、アタックのチャンスを失ってしまった。
中団グループにはハイパーソフトでスタートするマシンが何台かいるから、その部分の対策に重点を置きつつ、レースでの戦略オプションをさらに検討して、明日の決勝に挑むつもりだ。
ポールポジションはメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。2番手にはルイス・ハミルトンが続き、シルバーアローが最前列を占拠。3番手はスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルという結果となった。
2018年F1第16戦ロシアグランプリ決勝レースは、日本時間9月30日(日)20時10分から行われ、1周5872mのソチ・オートドロームを53周する事で勝敗を決する。