激レア多数、走行距離3万kmのトヨタF1マシン「TF109」がFIA慈善オークションに
国際自動車連盟(FIA)やモータースポーツ界の支援を受けて開催されるRMサザビーズの慈善オークションに、トヨタの2009年型F1マシン「TF109」や、現役F1ドライバー・チームなどから惜しみなく寄付された60点以上の豪華アイテムが出品される事が決まった。
自動車専門のオークションハウスであるRMサザビーズは「#RaceAgainstCovid」を掲げるFIAからの委託を受け、6月15日(月)~6月22日(月)に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策支援を目的とするオンライン限定オークションを開催する。FIA財団からの100万ユーロ(約1億1,977万円)と合わせて、収益金はすべてIFRC(国際赤十字赤新月社連盟)に寄付される。
注目ロットは、TOYOTA GAZOO Racingから寄贈されたシャシーナンバー01の「TF109」だ。「TF109-01」はパナソニック・トヨタ・レーシングのテストカーで、バーレーン、ポルティマオ、ナルド、ロンメルでのテストセッションで使われ、ヤルノ・トゥルーリ、ティモ・グロックらがステアリングを握った。
トヨタ撤退後は、ブリヂストンに代わって2011年よりF1公式タイヤサプライヤーとなったピレリのテストカーとして第二の人生を歩み、2011年までの間にニック・ハイドフェルド、ペドロ・デ・ラ・ロサ、ルーカス・ディ・グラッシ、そしてロマン・グロージャンがドライブし、走行距離30,000km超を以てその役目を終えた。
出品されるのは2.4リッターV8エンジンと7速ギアボックスを含む完全なレースカーで、ピレリのテストカラーリングが施されている。
現時点で出品が決まっているロットは以下の通り。
- ルマン24時間の9度ウィナーであるトム・クリステンセンが引退レース(2014年WECサンパウロ6時間)で着用したレーシングスーツ
- F1王者デイモン・ヒルが1995年オーストラリアGPで優勝した際のレーシングスーツとヘルメット
- 2019年ベルギーGPで優勝した際にシャルル・ルクレールが着用していたレーシングスーツ
- 2019年シンガポールGPで優勝した際にセバスチャン・ベッテルが着用していたレーシングスーツ
- スクーデリア・フェラーリのトラックシミュレーター1日体験
- 6度のF1世界王者であるルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのサイン入りレーシングスーツ、グローブ、ブーツの2セット
- 現時点でトヨタ最後のF1マシンとなっている「TF109」
トム・クリステンセンのレーシングスーツ
デイモン・ヒルのレーシングスーツとヘルメット
RMサザビーズのヨーロッパ部門の責任者を務めるマーテン・テン・ホルダーは今回のオークションについて「FIAから支援を依頼された事を光栄に思う。これは世界的な大義のために多額の資金を集めるための素晴らしい取り組みだ。我々はチャリティ・オンライン・セールで大成功を収めてきたが、#RaceAgainstCovidオークションに出品されるロットの価値は計り知れない」と語った。
またFIAのジャン・トッド会長は「コロナ危機が始まって以来、FIAとモータースポーツ界全体は#RaceAgainstCovidのようなイニシアティブを通じてパンデミックとの闘いに尽力してきた。寄贈してくれた全てのドライバーとチーム、そしてFIA財団に感謝したい」と述べた。
その他のロットは今後数週間以内に発表される予定で、入札者登録は近日中に開始される。