2023年F1プレシーズンテスト《2日目》結果:赤旗メルセデス、2桁止まり…周冠宇が最速もレッドブル圧倒
2023年F1プレシーズンテスト2日目のセッションが2月24日(金)に8時間30分に渡って行われ、周冠宇(アルファロメオ)が前日を含めたテスト全体のファステストとなる1分31秒610を記録した。
残り30分、周冠宇は最も柔らかいC5コンパウンドを履いて計測ラップに向かい、C3コンパウンドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を1000分の40秒上回る全体ベストをマークした。
That's a wrap, @ZhouGuanyu24!
133 laps and fastest time of the day to wrap up his #F1Testing duties. Mega job. 👏 #F1 pic.twitter.com/VeWbdedHM6
— Stake F1 Team KICK Sauber (@stakef1team_ks) February 24, 2023
3番手はフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)。初日2番手がブラフでないと言わんばかりに、同じC3を履くフェルスタッペンにコンマ6秒差で食らいついた。
Pos | Driver | Team | Laps | Time | Gap | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 周冠宇 | アルファロメオ | 133 | 1:31.610 | 0.000 | C5 |
2 | フェルスタッペン | レッドブル | 47 | 1:31.650 | 0.040 | C3 |
3 | アロンソ | アストンマーチン | 130 | 1:32.205 | 0.595 | C3 |
4 | デ・フリース | アルファタウリ | 74 | 1:32.222 | 0.612 | C4 |
5 | ヒュルケンベルグ | ハース | 68 | 1:32.466 | 0.856 | C4 |
6 | サインツ | フェラーリ | 70 | 1:32.486 | 0.876 | C3 |
7 | サージェント | ウィリアムズ | 154 | 1:32.549 | 0.939 | C5 |
8 | ルクレール | フェラーリ | 68 | 1:32.725 | 1.115 | C3 |
9 | ピアストリ | マクラーレン | 74 | 1:33.175 | 1.565 | C3 |
10 | ガスリー | アルピーヌ | 59 | 1:33.186 | 1.826 | C3 |
11 | マグヌッセン | ハース | 67 | 1:33.442 | 1.832 | C2 |
12 | オコン | アルピーヌ | 49 | 1:33.490 | 1.880 | C3 |
13 | ラッセル | メルセデス | 26 | 1:33.654 | 2.044 | C3 |
14 | ペレス | レッドブル | 76 | 1:33.751 | 2.141 | Prt |
15 | ハミルトン | メルセデス | 72 | 1:33.954 | 2.344 | C3 |
16 | ノリス | マクラーレン | 65 | 1:35.522 | 3.912 | C2 |
17 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 85 | 1:37.708 | 6.987 | C2 |
メルセデス、油圧トラブルで走行ロス
メルセデスは午前にルイス・ハミルトンが72周と、堅実に周回を重ねた一方、ジョージ・ラッセルにバトンを繋いだ午後は残り1時間半というところで油圧系統のトラブルに見舞われストップした。
🚩 RED FLAG 🚩
The Mercedes of George Russell has stopped out on track #F1 #F1Testing pic.twitter.com/55CrOcGtm8
— Formula 1 (@F1) February 24, 2023
この日最初の赤旗が振られ、約20分に渡ってセッションは中断された。テスト全体としては2回目のレッドフラッグ。初日には、開始早々にフェリペ・ドルゴビッチ駆るアストンマーチン「AMR23」が電気系統のトラブルに見舞われ停車した。
メルセデスは結局、ラッセルをコースに送り戻す事はできず午後のラップは26周に留まり、1日を通しても全チーム最小の98周。更には原因不明のペースダウンに襲われるなど、手痛く、また非常に厳しい1日となった。
レッドブル、2番手も圧倒
タイムシートこそアルファロメオに奪われたが、RB19はこの日も圧倒的オン・ザ・レール感を漂わせ、フェルスタッペンは全てのラップで力強さを見せた。オイル漏れとみられるトラブルもレッドブルの勢いを抑えるものではなかった。
Handing over the reins to @Max33Verstappen 🔑 #F1Testing pic.twitter.com/WFik7OfmwP
— Oracle Red Bull Racing (@redbullracing) February 24, 2023
午前を担当したセルジオ・ペレスはプロトタイプタイヤで14番手ながらも、非常に印象的なレースディスタンスをこなし、レッドブルが依然として優位にある事を印象付けた。
この日を以てフェルスタッペンのプレシーズンテストは終了。最終3日目はペレスが終日に渡ってRB19でプログラムを担当する。
Wサプライズの周冠宇
低い路面温度という好条件下でのC5コンパウンドとは言え、ちょっとした驚きのトップタイムを刻んだ後、周冠宇は最終盤のバーチャル・セーフティーカー(VSC)テスト中、ガレージから出た直後にピットレーンの端で停車した。
FIAからの指示によるテストの一貫という可能性もあるが、何らかの技術的な問題に見舞われた可能性も否定できない。アルファロメオのメカニックはC43に駆けつけ、ガレージまでクルマを押し戻した。
アルファタウリ、デ・フリースが4番手
この日の夕刻コンディションで最初にプッシュラップを記録したのはアルファタウリのルーキー、ニック・デ・フリースだった。
ターン10で僅かにロックアップしたものの暫定2番手に浮上。C4コンパウンドながら最終リザルトでも4番手と上位につけた。
a strong end to a good day of testing 👊 @nyckdevries slots into P4 at the end of day 02 👌 pic.twitter.com/3K7fHHnoY6
— Visa Cash App RB F1 Team (@visacashapprb) February 24, 2023
午前を担当した角田裕毅は脇目も振らずレース・シミュレーションに取り組み、誰よりも多い85周を走破。予選ランは行わず、17番手最下位で2日目を終えた。
ティフォシに希望を与えたフェラーリ
レッドブルの独壇場だった初日を経て、午前のテストを担当したカルロス・サインツは開始早々、フェルスタッペンが前日に刻んだ最速を塗り替え、その30分後、更にコンマ2秒を縮めた。
走行を終えたサインツは、これまでに消化したプログラムの量と質について「本当に満足」しているとして、様々なセッティングや状況に対してSF-23がどのように反応するのかについて「多くを学んでいる」最中だと語った。
また、フェラーリは手の内を隠しているのでは?との質問に対しては「クルマに乗り込んだ時はいつだってプッシュしているけど、残りのコンマ1秒に関してはアドレナリンが吹き出す予選にならなきゃ絞り出せないものさ」と答えた。
Golden hour 🌅#F1Testing pic.twitter.com/EXqafOteqI
— Scuderia Ferrari HP (@ScuderiaFerrari) February 24, 2023
テスト最終3日目の25日(土)も午前と午後の2回に分けてセッションが行われる。テストの模様はDAZNとフジテレビNEXTが完全ライブ配信・生中継する。