メルセデス恵みの赤旗…フェルスタッペン、RB19の”初期的問題”で走行ロス
テストを通して「RB19」は非常に高いレベルにある事を感じさせる。控えめに言ってもレッドブルが絶好調である事はほとんど疑いないが、それでも生み出されたばかりの新車の信頼性は決して完璧ではなかった。
2023年F1プレシーズンテスト2日目、午後のプログラムを担当したマックス・フェルスタッペンの周回数は47周と、ステアリングを握った17名の中で下から2番目に少なかった。
最小26周に留まったのは油圧系トラブルに見舞われたメルセデスのジョージ・ラッセルだ。W14のストップにより赤旗が振られ、セッションは20分近くの中断を余儀なくされた。
午後のフェルスタッペンはなかなか周回数を積み重ねていけず、ガレージ内に籠もる姿が目立った。赤旗中断時のフェルスタッペンのマイレージは18周に過ぎなかった。油圧漏れへの対処に時間を取られたとされる。
レースエンジニアリング部門の責任者を務めるジャンピエロ・ランビアーゼは「マイナーなものではあるが、ちょっとした初期的な問題があって午後は走行時間を失ってしまった。だがテストの意義は肝心な時にこうしたトラブルを避けるためでもある」と説明した。
赤旗は全チームのガレージ強制待機を意味する。どの時点で修復作業が完了したのかは分からないが、レッドブルにとっては少なからず恵みのレッドフラッグだったと言えそうだ。
パフォーマンスだけでなく運までをも味方につけているとすれば、フェラーリやメルセデスにとっては頭の痛いところだろう。
この日が開幕バーレーンGP前に許された最後の走行だったフェルスタッペンにとって、メカニックの作業を傍観する時間は決して有意義なものではなかっただろうが、それでもテスト全体に満足しているという。
セッションを終えたフェルスタッペンは「クルマに乗り込むたびに心地良さが感じられるし、最初からプッシュできているし、今回のテストには本当に満足してる」と語った。
「今日は細部に焦点を当てて、少しずつステップを踏んでいった。今日もクルマの反応は本当に良かった。来週末のレースだけじゃなく、その後のレースに向けても多くを学べた」
「これも冬の間、そして昨年を通して働いてくれたファクトリーの皆のおかげだ。心から感謝したい。彼らが用意してくれたマシンがコース上でどんな挙動を示すのかを確認できて最高だ」
「開幕戦でどれだけ速く走れるかが重要なわけだけど、今のところ気分はポジティブだ」
ランビアーゼは「短いながらも今日のマックスの走行から、レースに向けてパッケージに磨きがかかっていることが分かった。マックスにとってのこれまでの1日半はあっという間だったが、クルマに良い感触を得ているし、戦いに向けての準備はできているはずだ」と付け加えた。
テスト最終3日目の25日(土)も午前と午後の2回に分けてセッションが行われる。テストの模様はDAZNとフジテレビNEXTが完全ライブ配信・生中継する。