レッドブルのガレージ前にRB19を停めるセルジオ・ペレス、2023年2月25日F1プレシーズンテスト
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルの優位性に陰り…2023年F1テスト最高速ランキング

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F1プレシーズンテストを経て、トップスピードにおけるレッドブル・レーシングの優位性が低下している可能性が浮かび上がってきた。ライバルは2023年に向けて車体のドラッグを着実に減らしてきたようだ。

独「Auto Motor und Sport」が公開した以下の集計は全10チームの最高速をまとめたものだ。セットアップを含めて速度は各変数に左右されるため有意な比較が難しいが、ハイ・エンジンモードとDRSを使用したラップが対象との事で、これ以上は求めようがない。

順位 チーム 最高速(km/h) DAY
1 レッドブル 326.9 1
2 フェラーリ 326.6 2
3 ウィリアムズ 324.8 2
4 ハース 324.3 2
5 アルピーヌ 323.6 3
6 アストンマーチン 323.3 2
7 アルファロメオ 322.8 3
8 アルファタウリ 322.2 1
9 マクラーレン 322.0 1
10 メルセデス 321.1 1

昨年と変わらずレッドブルが326.9km/hを刻んでランキングトップに立ったが、フェラーリ「SF-23」との差は僅か0.3km/h。また、最も遅かったメルセデスとの差も5.8km/hと、フィールド全体の格差が昨年よりも縮小している事がうかがえる。

レッドブルの2022年型「RB18」の最大の強みは高い空力効率にあった。強大なダウンフォースを発生させる一方で空気抵抗は低く、強力なホンダエンジンにも後押しされ、コーナーでもストレートでも競争力を発揮した。

参考までに昨年の予選スピードトラップではレッドブルが323.2km/hでトップを刻み、アストンマーチンが310km/hで最下位と、13km/hの差があった。フェラーリは6番目のチームだった。

2022年F1バーレーン予選最高速度

3番手は昨年もトップスピードで目立っていたウィリアムズ。車体特性はさほど変わっていないのかもしれない。角田裕毅擁するアルファタウリは8番手と順位を下げた。中高速のダウンフォースと引き換えに、増加するドラッグを効率的に抑える事ができていないのかもしれない。

最下位に沈んだメルセデスに関しては、テストでドラッギーなリアウイングを使っていた事を認めており、早ければ開幕戦にも投入される見通しの新型リアウイングで改善が見られる可能性がある。

メルセデスに次いで遅かったマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は「MCL60」の空力的目標が達成できていない事を認めており、改善のためには4月末のアゼルバイジャンGPで予定されている最初のメジャーアップグレードを待つ必要がありそうだ。前季型「MCL36」もドラッグが課題だった。