レッドブルF1、”危険”を顧みずRB18にアップグレード / エミリア・ロマーニャGP
モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによるとレッドブル・レーシングはリスクがあると知りながらも、第4戦エミリア・ロマーニャGPでRB18にアップグレードを投入する決定を下した。
今週末のイモラ・サーキットでのイベントは2022年シーズンとしては初めてスプリントフォーマットが採用される。パルクフェルメが適用される予選までに許されたプラクティスは僅か1時間しかなく、新たな開発パーツの評価とセットアップに避ける時間は限られている。外した場合、巻き返しは極めて困難だ。
ヨーロッパラウンドの始まりは伝統的に、各チームがシーズン一発目の大規模アップグレードを持ち込む週末となるが、スプリントフォーマットを理由にフェラーリを含む一部チームはメジャーアップグレードを翌戦以降に持ち越す計画を立てている。しかしながら英国ミルトンキーンズのチームは攻めの姿勢を崩さない。
RB18のアップグレード計画について、マルコは独RTLとのインタビューの中で「フェラーリのパッケージは複雑ながらもセットアップが容易であるため、我々が彼らに対抗するためにはあらゆる面がパーフェクトでなければならない」と語った。
「だからこそ、たった1回のプラクティスしかないのに新しいパーツを持ち込むというリスクを負う事にしたんだ。ただ待つのではなく、全力で攻めることでチャンスをつかみ取りたい」
マルコは”コケる”危険性を顧みずにアップグレードを持ち込む決断を下した理由について「それほどまでにフェラーリとルクレールは強すぎる」と説明した。
バーレーンとオーストラリアでマックス・フェルスタッペンがリタイアを余儀なくされるなど、信頼性の低さからレッドブルは波乱のシーズン幕開けを過ごしているが、対照的にフェラーリはシャルル・ルクレールが3戦中2戦で勝利を飾り、フェルスタッペンに46ポイント差をつけてドライバーズランキングを支配する。
持ち込まれる新たな開発パーツはマシンの外観を変えるようなものではないかもしれない。
マルコはシーズン開幕当初から事あるごとに、選手権リーダーのスクーデリアとの差を縮めるためにはマシンの軽量化が必要だと主張し続けてきた。RB18の車重は813kgと、メルセデスW13と並んで最小重量を最も超過しているマシンだと考えられている。フェラーリF1-75は5kg軽く、これはマルコの言葉を借りれば「かなり」大きい。
78歳のオーストリア人ディレクターはRB18の贅肉について「一晩でどうにかなるものではない」とした上で「バルセロナ(第6戦スペインGP)でフェラーリと同じ水準にまで持っていければ満足できるだろう」と付け加えた。
なおマルコは、レッドブルとフェラーリによる一騎打ちの展開が当面続くと予想しながらも、そう遠くない将来にメルセデスが巻き返してくるだろうと指摘した。
「今のところ彼らは予選で1秒、決勝で0.5秒遅れており、我々の直接の敵ではない。だがその状況は比較的早く変わる可能性がある」
イモラではメルセデスがコックピットの側面にディフレクターを付け加えるマイナーアップグレードを持ち込んでいる他、程度は不明ながらもアルピーヌやアルファタウリ、アルファロメオが最新スペックパーツの導入を計画している。