2021年型のホンダ新型F1エンジン開発の進捗は?「性能アップという点で非常に前向き」とレッドブル
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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによると、ホンダにとってのV6ハイブリッド・ターボ最終形態となる2021年型F1パワーユニットの開発は順調に進んでいるようだ。
レッドブルによるホンダ製F1パワーユニットの引き継ぎ計画は、ホンダ側との合意を経て、大詰めの段階を迎えており、ミルトンキーンズのチームが2022年以降もHRD Sakura設計・開発のPU一式を使い続ける可能性は高まっている。しかしながら、メーカーとしての公式の活動が今年で幕を閉じるという点に変わりはない。
レッドブル・ホンダは昨季、チャンピオンシップ制覇を懸けてシーズンに臨んだが結果は惨敗。マックス・フェルスタッペンが2勝に留まった一方、メルセデスは17戦中13戦で表彰台の頂点に立ち、7年連続となるダブルタイトルを決めてみせた。コンストラクター選手権でのポイント差は254点にまで広がった。
最終アブダビGPでのフェルスタッペンの勝利は来シーズンに向けた前向きな一歩と捉える事もできるが、結局のところ、ライバルのシルバーアローはスパ以降アップデートを行っておらず、リソースの全てを来季用のマシン開発に回していた。
利はメルセデスにあるのではないか? 昨年のシナリオの再演になるのではないか? レッドブル・ホンダの2021年に懐疑的な意見がある一方でチームは前向きだ。
ヘルムート・マルコはこの程、RTLとのインタビューの中で、新車「RB16B」の開発は「予定通り」に進んでおり、目標はあくまでもワールドタイトル獲得だと主張。更に「ホンダからは性能向上という点で非常にポジティブなデータを得ているし、我々のシャシーも冬の間に開発が進められてきた」と楽観的な見方を示した。
ホンダラストイヤーでの悲願達成のためには車体・エンジン双方のパフォーマンス向上が求められる。トップランナーに追いつくべく、ホンダは当初2022年の導入を計画していたスペックを1年前倒しで投入する事を決断した。技術レギュレーションは2022年に刷新されるものの、エンジンの搭載方法に大きな変更はない。
ホンダは2017年型の「RA617H」において、それまで推し進めてきた「サイズゼロ」コンセプトを見直し、Vバンク内に収められていたコンプレッサーとターボをエンジンの前後に再配置するレイアウトへと移行した。
田辺豊治テクニカル・ディレクターによると2022年型は内燃エンジンとERSがアップデートされるとの事だが、基本的な構造は「RA617H」に連なるもので、レイアウトは踏襲されるものと見られる。
ヘルムート・マルコは「もはや我々は(フェルスタッペンのみの)ワンマンチームではない」という表現で、新加入のセルジオ・ペレスに対しても大きな期待を寄せ「弱点の根絶のためにあらゆる取り組みが行われている」と付け加えた。
開幕前のバーレーンでのプレシーズンテストまでは50日を切っている。