ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターと話をするレッドブル・ホンダのアレックス・アルボン、2019年F1イタリアGPにて
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F1王座目指すレッドブル・ホンダ、2020年は何回優勝できる?「11勝のチャンスあり」

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ホンダは2020年シーズンのFIA-F1世界選手権で、29年ぶりのチャンピオンシップ制覇を目論んでいる。立ちはだかるのは、V6ハイブリッド時代の絶対王者メルセデスAMGと、レーシングドライバーとして完成の域に達しているルイス・ハミルトンだ。

英国ミルトン・キーンズの強豪チームとパワーユニット供給契約を締結して初めて挑んだ2019年シーズン。レッドブル・ホンダはエースのマックス・フェルスタッペンがドイツ、オーストリア、ブラジルの各グランプリで表彰台の頂点に立ち、シーズン3勝を挙げた。

メルセデス、フェラーリ、そしてレッドブルを含む3強チームが飛び抜けた戦力を誇る今のF1において、3勝でタイトルを獲得することは難しい。レッドブル・ホンダは今年、何勝を見据えているのだろうか?

ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターは、オランダとベトナムという2つの新しいグランプリを迎え入れた全22戦のカレンダーの中で、最低でも11勝の可能性があると考えている。

山本MDはhondaracingf1.comに「Hondaとしては、マックスとアレックス(アルボン)がポテンシャル通りの力を発揮して上位でレースができるように、全力を尽くさなければなりません。そうすれば、勝利が見えてくると思います」とコメントし、次のように続けた。

「昨年、我々は計11回の表彰台がありました。9つがレッドブル、2つがトロロッソ(現アルファタウリ)です。私の見立てでは、今年は11のサーキットでレッドブル勢にアドバンテージがあると思っています。その11戦にはチャンスがあるわけですから、そのうちどれだけ勝てるかを見ていかなければなりません」

11戦でチャンスがある…というのは、必ずしも11勝を目標にするという事を意味しないようだ。山本MDは次のように述べ、具体的な数字を挙げる事を拒否した。

「具体的に何勝という目標は挙げていません。ただ昨年、マルコ(レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ)さんは5勝を目指すと言っていて、私の見立てでは4勝かなと思っていました」

「最終的には3勝にとどまりましたが、メキシコのように勝てたけど落としたレースもありました。もしかしたらモンツァもそうだったかもしれない。だから、もっと勝利は挙げられたと思います」

下馬評で優位な立場にあるのはメルセデスだが、多くの識者はレッドブル・ホンダがシルバーアローの最大の対抗馬だとみなしており、壮絶な死闘が期待されている。僅差での戦いが予想される中、山本MDは勝てるチャンスは全てモノにする必要があると強調する。

「タイトル獲得に向けて、全力を尽くしています。昨年は不運で落としたレースもありましたが、今年はそうした取りこぼしを無くさなければなりません。マックス(フェルスタッペン)は全戦で表彰台に立ちたいと言っていますが、我々としてもその目標をサポートします」

「私の仕事で言えば、やはりチームマネジメントの面ですね。いまの体制はとても効率的ですし、昨年レッドブルとの初年度で、適材適所の人事や効率アップの手法など、学んだことも多くあります」

「そして、昨年からドライバーが4人になり、特にマックス・フェルスタッペンというドライバーと組めているのは大きいです。彼のフィードバックが大いに開発に役立っています。だからレッドブル、そしてマックスと仕事ができているのはありがたいですね」

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