F1予算超過終結!レッドブル、罰金10億円と開発テスト減のABA締結…13項目で計上漏れ
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予算超過騒動が遂に終結した。レッドブル・レーシングは2021年の予算超過に関して、国際自動車連盟(FIA)との間で「違反是認(ABA)」を締結した。これに伴い700万ドル(約10億3,336万円)の罰金と、空力開発テスト時間10%減の罰則を受ける事が決まった。
FIAはF1メキシコGPの開幕を数時間後に控えたメキシコシティ現地28日(金)、財務規定(フィナンシャル・レギュレーション)第6条28項に基づき、2022年10月26日付けでレッドブル及びアストンマーチンとの間でABAを締結したと発表した。
史上初となる財務規定が導入された2021年シーズンは1億4500万ドル(1億1803万6000ポンド)に予算上限が設定された。
レッドブルの申請額は1億1429万3000ポンドと、上限を374万3000ポンド下回っていたが、本来であれば計上されるべき560万7000ポンドが「不正確に除外または調整」されたとみなされた。
その結果、予算上限額を186万4000ポンド(約3億1922万円)超過する事となった。これは予算上限の1.6%であり、財務規定で規定されている超過額5%未満の「軽微予算違反」と認定された。
計上漏れがあったのは以下の13項目だ。これらが規定とは異なり「不正確」に除外されていた。
- ケータリング費用(第3条1項(a))
- 復職見込みのない従業員への対価(第3条1項(w))
- 人事・財務・法務関連並びに非F1活動に関する費用(第3条1項(h)(i))
- 従業員への賞与(第3条1項(k))
- 固定資産処分益に係る関連費用の過少計上
- 実習賦課金関連費用(第3条1項(q))
- 従業員の社会保障関連費用(第3条1項(h)(ⅰ)(ⅱ))
- 従業員の社会保障関連費用(第3条1項(h)(ⅰ))
- パワーユニット使用料(第4条1項(a)(i))
- 棚卸資産関連(第4条1項(a)(i))
- RBPTからの再請求費用に関する事務的ミス
- 旅費(第3条1項(r))
- メンテナンス費用(第3条1項(i))
FIAは、不正確な報告書類の提出により財務規定第8条2項(e)違反、上限を超えた事で第8条10(b)への違反があったと結論づける一方、143万1348ポンドの想定税額控除を適切に処理していれば、違反額は43万2652ポンド(0.37%)に留まっていただろうとも指摘した。
ABAの締結によりレッドブルは、締結日から30日以内に700万米ドルをFIAに支払う義務を負う事となった。
また、競技規定の付則7第6条に定められている、制限付風洞試験(RWTT)及び制限付数値流体力学(RCFD)制限の算出に用いられる係数Cを10%削減するという形で、ABA締結日から12ヶ月間、ペナルティを受ける。
レッドブルは2022年のコンストラクターズ選手権を制覇したため、ランキング7位のチームが許可される風洞・CFD稼働時間の70%に制限されるが、これが63%(70% x (1-0.1) )に削減される。
アストンマーチンに関しては45万ドルの罰金が科された。