F1デビューイヤーのマックス・フェルスタッペン、トロロッソ
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル、FIAスーパーライセンスを批判「ポイントの過多はF1での成功とは無関係」

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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「ポイントの過多はF1での成功とは無関係」との考えを示し、F1の参戦要件であるFIAのスーパーライセンスシステムを批判している。

スーパーライセンスとは、FIA国際自動車連盟が管轄するレーシングドライバー用の免許証の事で、F1に参戦するためには所定のシリーズに参戦して好成績を収め、過去3シーズンでライセンスポイントを40点以上獲得する必要があるなど、複雑な条件が定められている。

この仕組みが導入された背景には、ヘルムート・マルコがその才能を見出しF1へと引き上げたマックス・フェルスタッペンの存在があった。フェルスタッペンは2015年に、17歳166日という史上最年少記録でF1デビューを飾ったが、あまりの若さ故に経験不足を懸念する声が多数上がった。

実際フェルスタッペンは、F1デビュー以前にシングルシーターでのレースを1シーズンしか経験しておらず、レッドブルに対する「無責任」との声を真っ向から否定するのは簡単な事ではなかった。だが結果としてフェルスタッペンは、今やF1を代表するトップドライバーの一人へと成長し、ヘルムート・マルコの判断が正しかった事を証明している。

とは言えFIAは、フェルスタッペンがデビューした翌年に、スーパーライセンスシステムにポイント制を導入するとともに、「18歳以上」という年齢制限を付け加えた。

この流れを踏まえれば当然と言えるが、ヘルムート・マルコはこの制度のあり方に納得していない。ドライバー育成で高い評価を受けている76歳のオーストリア人はこの程、Motorsport-Totalとのインタビューの中で、スーパーライセンスの問題点を指摘した。

「私はFIAがこのシステムを改訂する事を望んでいる。なぜなら、40点を獲得したからと言っても、その大部分のドライバーはフォーミュラ1で成功できるだけの才能を持ち合わせていないからだ」とヘルムート・マルコ。

「それに、速さがあるにも関わらず、必要となるポイントを獲得できていない才能溢れる若手も多い」

ヘルムート・マルコの主張が傾聴に値するかどうかはさておき、この仕組みが以前より導入されていたとしたら、キミ・ライコネンやジェンソン・バトンがF1で走る事はなかったかもしれない。後にF1ワールドチャンピオンに輝いた二人は共に、ジュニアフォーミュラを2年しか経験していない。