2019年仕様のレースウェアにプリントされたレッドブルとホンダのロゴ

新車「RB15」発表を目前に控え、レッドブル陣営から前向き発言続々…ホンダ好発進の兆候?

  • 最終更新:

2019年のホンダは選手権争いに食い込めるのか?メルセデスやフェラーリに対して太刀打ちできるだけの出力向上を果たせるのか? 2月13日(水)に行われる新車「RB15」の発表を1週間後に控え様々な予想と期待が渦巻く中、レッドブル・レーシング陣営からホンダに対する前向きな発言が飛び交っている。

ホンダエンジンの更なる進化、性能重視の開発

「ホンダは力強い形でこの冬を過ごしている」レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、昨シーズンの最終アブダビGP以降のホンダの進捗をこのように切り出した。今季型のF1パワーユニット「RA619H」は、栃木県にあるHRD Sakuraで開発が進められている。

「レッドブル・テクノロジーは過去12ヶ月間に渡ってホンダと連携しながら作業に取り組んできた。我々はトロロッソに対してギアボックスとドライブトレインのソリューションを提供しているため、舞台裏でホンダの進化を見てきたわけだ。彼らは進化を遂げている」

ホンダF1は昨年、3年間に渡ったマクラーレンとの関係を精算しスクーデリア・トロ・ロッソと契約。互いに尊重し合う良好な関係を築き、信頼性と馬力の両面での大幅な性能向上に成功した。これを高く評価したレッドブル・レーシングは、ルノーに代えてホンダエンジン搭載を決定。「レッドブル・ホンダ」が誕生した。

2019年は昨シーズンと同じく、ICEをはじめとする主要PUコンポーネントが年間3基、その他のエレメントが年間2基までに制限され、超過した場合はグリッド降格ペナルティの対象となる。そのためシーズンの主役を演じるためにはエンジンに高い信頼性が求められる。

だがホーナー代表はホンダに対し、信頼性よりもパフォーマンスを重視した開発を要望。仮にエンジン交換によってグリッド降格処分を課されても、ホンダのパワーユニットが十分な性能を持ち合わせていれば、最後尾からスタートしてもすぐに先頭グループまで挽回できるからだと説明する。

「確かに3基のエンジンで21レースを乗り切るのは大きな挑戦だ。だがホンダには、むしろ一貫した性能改善に取り組んでもらいたいと思っている。その結果シーズンの途中でペナルティを受ける事になったとしても、昨年がそうであったように、”適切な”サーキットで受ける限りは殆ど影響はない」

「パフォーマンスを改善し、正しい方向を見据えて歩み続ける限り、チームやファクトリーでは楽観的な意見が大勢を占める事になる。そしてスタッフたちは新しいパートナーとのコラボレーションに胸を踊らせるのだ」

ホンダとの関係はルノーとは異なる”運命共同体”

ホーナー代表は耐久性よりもパワーを優先した開発が重要だと強調するが、レッドブルがフランスの自動車メーカーとの契約を解消しホンダと手を結んだのは、ルノーエンジンの信頼性不足が一因であったはず。ダニエル・リカルドは昨年、信頼性不足を原因とする幾多ものトラブルに見舞われ、リタイヤ数は年間21戦で計8回。DNF率は驚きの38%という数値に達した。

ホンダが耐久性よりも馬力に焦点を当てた開発を進めれば、ルノーの二の舞になってしまうのではないか。ホーナー代表は、その見解は的外れだと説明する。

「その点については全く当てはまらないと考えている。過去5年、いや我々は12年に渡ってルノーと手を組んできたが、その中でも特に過去3年間は、ファーストクラスのチケットの代金を支払ったにも関わらず、提供されたのはエコノミークラスだったというような関係でしかなかった」

「その結果、極めて深刻なフラストレーションを抱える事になった。それに、ルノーの管理職の連中は、関係がスタートした当時とはだいぶ様変わりしていた」

「だからこそ私は、ホンダとの関係は真の技術的パートナーシップであると考えている。”顧客”と”供給側”という関係性よりも遥かに、お互いが寄り添って一つの運命共同体として同じ責任を分かち合うことになるからだ。とは言え、”ゼロからの出発”とは考えておらず、過去数シーズンの立ち位置から一歩先に進んだパフォーマンスを期待している」

シミュレーターで上々評価の「RB15」

2005年の初号機から数えて15代目のマシンとなる今季「RB15」は、チーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイが久々に全面監修を手がけており、パドック中がその出来に興味を示す注目作だ。

レッドブルでの4シーズン目を迎えるマックス・フェルスタッペンは自身のWEBサイトの中で、2019シーズンの開幕時点でシルバーアローや跳ね馬に匹敵するパフォーマンスを得るのは難しいと予想。その一方で、4日月曜に行われた母国のデニムブランド「G-Star RAW」のイベントに顔を見せると、Honda「RA619H」を搭載するRB15をシミュレーターでドライブした際の印象を次のように語った。

「シミュレーターで運転した感じでは、前向きな手応えを得たよ。当然のことだけど(パフォーマンスは相対的なものだから)ライバルチーム次第だけどね。まだ何も結論を出すことは出来ないし、実際にどうなるかは実車に乗ってみなきゃ分からないけど、今はワクワクしてる」

昨年の”レッドブル・ルノー”を上回る4勝超えを目標に掲げるホンダとしては、まずは開幕オーストラリアGPでルノー勢を抜き去り、その後、2020年のチャンピオンシップ制覇という野心達成に向けて、今年一年を通して継続的な改善に取り組んでいきたいところ。フェルスタッペンは、チームの士気は高まっており躍進のための環境が揃いつつあると内情を明かす。

「ホンダにとっては新たなスタートの年になる。みんな凄くやる気に満ちてるし、新しいシーズンが楽しみだ。チームには前向きなエネルギーが満ち溢れているし、勝利への機運が高まってる。現時点ではチーム側もエンジンサプライヤ側も、双方が上手く機能してると感じてる」

フェルスタッペンは昨年、2勝を上げてキャリア最高位となるランキング4位を獲得した。今年の目標は、ホンダと共に更に多く表彰台の頂点に立つことだという。

「できるだけ多くの勝ち星を重ねたいと思ってるし、それができれば最終的にチャンピオンシップへの挑戦権を手にする事ができるだろう。予想するのは難しいけど、僕としてはポジティブである事を祈ってる」