竹刀を振るうダニエル・リカルド
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レッドブル・ホンダを選ばなかったダニエル・リカルド「後悔は微塵もない」

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ダニエル・リカルドは、ホンダと共にチャンピオンシップ奪還に燃えるレッドブルを離れ、ルノーF1チームに新転地を求める事となったが、この決断に満足感を示しており、一切後悔していない。

「後悔は微塵もない」とリカルド。RACERのインタビューの中で移籍の決断を振り返った。「選択肢はほとんどなかったしね。2年前にメルセデスと契約できるチャンスがあったけど、今回はそうじゃなかった。悔やむことは何もないし僕はハッピーさ」

過去を振り返らず前を見る

マーク・ウェバーの引退に伴いトロロッソからレッドブルへと昇格したオージーは、初年度に3勝を上げて4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルを下し印象的なチームデビューを果たしたものの、その後4年間に渡って勝ち星を4つしか付け加える事が出来なかった。

昨年は第3戦中国GPを制し第6戦でモナコウィナーに輝いたものの、マシンの信頼性不足を原因とする幾多ものトラブルに見舞われ、全21戦中8回ものリタイヤを強いられた。現代F1としてはDNF率38%は驚異的に悪い数値と言える。

「2015年に比べれば、去年は確かにストレスが溜まるシーズンだったけど、自分のアプローチに関しては満足してる。過去を振り返って、”あの時こうしていればこんな事にならなかったのに”とか、”もっと頑張ってればもっと良い結果だったはずなのに”なんて、僕は言ったりしない」

リカルドは「チャンピオンシップを戦える事」をチーム選定の条件に上げ、移籍と残留のオプションを評価。天秤にかけ自問自答を繰り返し、最終的に、ジュニア時代から支援を受けキャリアの大部分を過ごしたレッドブル・レーシングを離れて、新しい職場で人生の再スタートを切る決断を下した。

レッドブル・ホンダが成功しても受け入れる

レッドブルはV8時代を圧倒した僚友ルノーとの蜜月関係を終わらせ、日本の大手エンジンメーカーとパートナーシップを締結。2019シーズンは「レッドブル・ホンダ」として選手権争い返り咲きに強い意欲を示しているが、レッドブルが”チャンス”と捉えた提携を、リカルドは”リスク”として受け止めた。

「(残留したとして)もしもホンダが失敗したら、またフラストレーションを抱えた一年を過ごす事になってしまう」

その一方でリカルドは、ホンダが躍進を示してマックス・フェルスタッペンと共に成功を収めたとしても真正面から受け入れるとも述べており、レッドブルを離れた真の理由がホンダとは無関係だと強調する。

「決定打になったのは”変化”だ。僕には変化が必要だったんだ。だからどういう結果になったとしても受け入れる心構えは出来てる。僕はこの決断が正しいって信じてる」