パンクして破壊された左フロントタイヤを見るメルセデスのルイス・ハミルトン、2020年F1イギリスGP決勝レース後copyright Daimler AG

ピレリ、F1イギリスGPでの”連続パンク事件”を受け調査開始…タイヤの問題か、それともデブリか?

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F1第4戦イギリスGPのレース最終盤にルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、そしてカルロス・サインツの3名が立て続けに左フロントタイヤのパンクに見舞われた事で、公式タイヤサプライヤーのピレリが詳しい調査に乗り出した。

最初にパンクしたボッタスは2番手を走行していたもののポイント圏外に転落。ラップをリードしていたハミルトンは最終周に同様のトラブルに襲われたものの、辛うじてマシンをフィニッシュラインまでドライブし勝利を手にした。

シルバーストーン・サーキットはエンジン全開の超高速コーナーが幾つもあり、タイヤへの負荷が非常に高い事で知られている。無論、タイヤそのものに問題があった可能性もないではないが、クリスチャン・ホーナー代表はコース上のデブリに起因するものではと推測しており、ピレリが避難されるべき類のアクシデントではない可能性もある。

既にピレリはエンジニアを分析作業に取り組ませているが、ピレリのレース部門を統括するマリオ・イゾラは、結論を出すには今しばらく時間が必要だと説明する。

「このサーキットで38周以上走行したタイヤが摩耗している事は確かであるため、酷い摩耗が原因の可能性もあるが、現時点では断定できない。コース上にはキミ(ライコネン)のフロントウイングの破片があったため、破片の可能性もあるし、他にも幾つかのデブリがあった」

「故に、壊れたタイヤだけでなく、レースの最終盤に使用されたすべてのタイヤを調査して、損傷や原因を示す証拠となるようなものがないかどうかを確認したいと思っている。幾つかの分析についてはサーキットのラボで行うかもしれない」

結論を出すべき日まであまり多くの時間は残されていない。1週間後には同じシルバーストーンを舞台として第5戦F1-70周年記念GPが控えている。マリオ・イゾラは「第2レースが控えているため、できるだけ早く結論を出さなければならない。遅くとも火曜日までに解明するのが目標だ」と語った。

この日のレースでは、ダニエル・リカルド、ランド・ノリス、セバスチャン・ベッテル、ニコラス・ラティフィ、ピエール・ガスリー、エステバン・オコン、ジョージ・ラッセル、そしてアントニオ・ジョビナッツィの8人がハードタイヤで40周を走り、ロマン・グロージャンはミディアムで36周の距離を走っている。マリオ・イゾラはタイヤの摩耗が限界に近くにまで達していた事を認めた。

「摩耗のレベルは非常に高かった。第1スティントのグロージャンのタイヤは完全に摩耗し切っていた。第2スティントのタイヤに関しても幾つか見てみたが、いずれも摩耗のレベルが100%に近い。これが問題の原因かどうかを調べる必要がある」

「はっきりしているのは、完全に摩耗しているタイヤの場合、トレッドの保護力が弱くなるため、コース上の小さな破片であってもダメージを受けやすくなる。中にはコード(タイヤの形状を保持するための補強材)が露出しているものもあった。摩耗のレベルが100%に近いと説明したのはそのためだ」

「各タイヤには周回数の上限があるが、これはマシンにもよるし、セットアップやエネルギーレベルにも依存するため、一概に誰もが同じ上限とは言えない」

「短期的に何をすべきか? 原因が判明次第、FIAとの間で上限周回数を定める事について協議する必要がある。もし摩耗が原因と確認されれば、対策を取らなければならない」

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