ニューウェイは「恐れ知らず」のレーシングドライバー、ペレスが明かす”空力の鬼才”の裏話
夢のレッドブル・ホンダ移籍に伴い、セルジオ・ペレスはF1史に輝く伝説的デザイナー、チーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)のエイドリアン・ニューウェイと初めて仕事に取り組むチャンスを得た。
62歳のイギリス人エンジニアはF1及びインディカーの両カテゴリにおいて、レースエンジニア、エアロダイナミスト、デザイナー、そしてテクニカルディレクターという肩書で数々の成功を収めた「空力の鬼才」の異名を持つ偉人で、F1界最高のエンジニアの一人と見なされている。
ニューウェイが手掛けたマシンはこれまでに10度のコンストラクターズ・チャンピオンシップを制し、6名をドライバーズタイトルに導いた。
フォース・インディア及びレーシングポイントでの7シーズンを経て、アレックス・アルボンの後任として今季より英国ミルトンキーンズのチームに加わったペレスは、ポッドキャスト「Beyond The Grid」の中で憧れのニューウェイについて、チームメイトのマックス・フェルスタッペンと同じレーシングドライバーのようだと語った。
「エイドリアンは競争心に溢れる男で、純粋なレーサー、レーシングドライバーだ。彼はこの仕事を心から成功させたいと思っている」
「彼は非常に賢い人物だし一緒にいて楽しい時間を過ごす事ができる。彼と話しているとまるでレーシングドライバーと話しているような気分になるんだ」
「そうだね、ある意味マックス(フェルスタッペン)と話しているような感じなんだ。彼はクルマに何が起きているのか、どのようなツールを使えば良いのかを知っているからね」
「率直に言って、エイドリアンからそういう話を聞くのは本当に感動的だ」
事実ニューウェイは、2007年のル・マン24時間レースにAFコルセから参戦し、フェラーリF430 GT2を駆りクラス4位を獲得。2012年のグッドウッド・リヴァイヴァルでは自身がデザインした2台のマシン、1990年のレイトンハウス「CG901」と、セバスチャン・ベッテルが初のタイトルを獲得した際のレッドブル「RB6」をドライブするなど、幾度となく自らステアリングを握っている。
ペレスはチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーから聞いたニューウェイの裏話を披露した。
「クリスチャンから聞いたんだけど、彼をシルバーストンに連れて行って(F1マシンを)テストさせた事があるらしいんだ。それが恐れを知らない凄さでね」
「当日は若干ダンプがある状況で、確かコップス(ターン9)だったと思うんだけど、彼は全開でコーナーに入って行こうとしたんだって」
「本当に自信に満ちたレースドライバーだよね。彼はドライバーとしての自分の能力を心から信頼しているに違いない!」