アロンソへの罰則、一旦は「適切に消化」と判断されるも最終周に再調査の謎
フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)への10秒ペナルティの決定が事由発生から大幅に遅れた理由は何だったのか? 実はこれ、ピットストップ直後は「適切に消化」したと判断されていた。
50周のレースの19周目に行われたピットストップについて、スタート位置違反に伴う5秒ペナルティがルール通りに消化されたかどうかについてレースコントロールは「慣例」に則り、スイス・ジュネーブのリモートオペレーション・センター(ROC)の協力を受け調査した。
この結果、レースコントロール、ROC双方は、ペナルティは適切に消化されたと判断した。そのためスチュワードは一件をこれ以上、調査しなかった。
事態が動いたのはファイナルラップだった。レースコントロールが、先程の判断は誤りであり、適切に消化されていなかった可能性があると報告をスチュワードに上げたのだ。
これによりスチュワードは、レースディレクターとスポーティングディレクターから提出された14号車アストンマーチンARM23のピットストップの際の映像を確認。5秒を消化する前にリアジャッキがクルマに「触れていた」事が確認されたため、F1競技規定第54.4条(c)違反に該当としてペナルティを科す事を決断した。
ルールはスチュワードに対し、当該車両を失格にする裁量を与えているが、スチュワードは「クルマに触れている間に作業が行われなかったこと」を考慮して10秒を加算する決定を下した。
ここで注目すべきは、一度は「適切に消化」したと判断した主体であるレースコントロールが何故、ファイナルラップになって突然、追加報告を上げたかだ。ライバルチームを含む外部からの情報提供が疑われる。