コラピントに「申し訳ない」とオコン、入賞圏外でポイント争いを繰り広げたアルピーヌ
エステバン・オコン(アルピーヌ)は、2024年F1アメリカGPでフランコ・コラピント(ウィリアムズ)からファステスト・ラップを奪ったことに触れて「申し訳ない」とコメントした。
キャリア4戦目で2回目の入賞を果たしたコラピントには、ファステストラップを記録してポイントを倍増させるチャンスがあったものの、アルピーヌのピットウォールは、それを決して許さなかった。
56周のレースの51周目、アルピーヌはポイント圏外15番手を走行していたオコンをピットインさせ、ソフトタイヤを装着した。この結果、コラピントがウィリアムズに持ち帰ったのは2点ではなく1点となった。
両チームはコンストラクターズ選手権8位争いを繰り広げている。サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのレースを経てウィリアムズは、アルピーヌに対して4ポイントのリードを築いた。
18位でレースを終えたオコンは「特に何かを争っていたわけじゃなかったから、フランコからファステストラップを奪うことにしたんだ。そのままだと彼が2ポイントを獲得する状況だったからね」と語った。
また、当初はチームがピットに呼び入れた理由が理解できなかったと認めつつ、後になってそれがウィリアムズのポイント獲得を防ぐための戦略的決断であったことを理解したと明かした。
オコンはSNSに「僕らのレースは1周目に後方から追突されて台無しになってしまった。幾つかポジションを挽回したけど、スタートがあれじゃ、大したことはできない。それでも最後に、チームのためにファステスト・ラップを記録することができた。フランコはそれに値しただけに、申し訳なく思う」と投稿した。
チーム代表を務めるオリバー・オークスは、コラピントからポイントを奪ったことについて「少しばかり意地悪だったかもしれない」としつつも、そうしなければウィリアムズがリードを更に拡大していたとして、「適切なタイミングでの正しい決断だった」と強調し、ウィリアムズは「良い仕事をしている」と付け加えた。
失ったボーナスポイントについてコラピントは、自身が最速ラップを記録した際はタイヤも古く燃料も重かったとして、「(アルピーヌは)ペース的に僕らほど速くはなかったけど、これがレースというものだ」と語った。
また、「ポイントは失ったけど、すぐに取り戻せると確信している。僕らには良いクルマがあるし、ポイントを獲得できる力があるからね」とも語った。
2025年シーズン以降は、こうした後方でのポイント争いは見られなくなる。F1アメリカGPの週末に先立ち世界モータースポーツ評議会(WMSC)は、ファステスト・ラップに対するボーナスポイントを廃止する決定を下した。
先月のシンガポールGPでは、RBのダニエル・リカルドがレース終盤にソフトタイヤを装着し、ランド・ノリス(マクラーレン)からボーナスポイントを奪ったことが話題となった。
この件については、レッドブルがRBと共謀して、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とタイトルを争うノリスからポイントを奪ったのではとの憶測も飛び交ったが、両チームはこれを否定した。