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予選後「ダブルポイント獲得も不可能ではない」と語っていたマクラーレン・ホンダであったが、第6戦F1モナコGP決勝は、ストフェル・バンドーン、ジェンソン・バトンが共にリタイヤとなる厳しい結果に終わった。唯一救いは、両者のリタイヤの原因がマシントラブルではない、という事くらいであろう。マクラーレン・ホンダはシーズンを通して信頼性の問題に苦しみ続けているが、モナコGP決勝レースでは目立ったトラブルは発生しなかった。
マクラーレンのレースディレクターを務めるエリック・ブーリエは、モナコのカジノを引き合いに出し、今日はただ単にツキに恵まれない1日であっただけ、と強調する。ほんの僅かな物事の違いが、時に大きな結果の違いに結びつくことは少なくはないし、殊モナコにおいては特にその傾向が強いのは事実ではある。
フロア交換によりピットレーンスタートとなったバトンは、1周目を終えて直ぐタイヤ交換のためにピットイン、トラフィックの中で前を塞がれた状態で走るよりも、クリーンエアで走ることでポジションアップを狙った。ところが、前を走っていたザウバーのパスカル・ウェーレインが全く同じ戦略を取ったことで、事実上バトンのレースは2周目に終わりを告げることになった。
マクラーレン:モナコGP決勝を終えて
エリック・ブーリエレースディレクター
「モンテカルロのカジノでは、ジャックポットで一山当てる事もあれば、無一文になってしまう事もあります。今日は運が味方してくれない不運な1日となってしまいました。ジェンソンが最後列からレースをスタートする事は分かっていましたので、クリーンエアーの中で彼を走らせようと試みました。ですが、ザウバーが我々と同じ戦略を取ってきたために、上手くいかなかったのです。これがジェンソンの歯車を狂わせる事になりました」
「アンセーフ・リリースのためにウェーレインにはペナルティの裁定が下りましたが、ジェンソンが優位となる事はありませんでした。接触はしばしば起こるものですし、2人が無事だったのは何よりでした。ジェンソンがリタイヤした後は、我々はストフェルのレースに集中しました。彼は終始トップ10周辺を走っていましたし、ウルトラソフトタイヤでのペースはかなり有望だったので、我々は良い結果を期待していたのです」
「スーパーソフトに履き替えた後も、ストフェルはポイント圏内を走行していました。しかし、セーフティカー後のリスタートでは、ブレーキもタイヤも冷えてしまっていたため、1コーナーでアンダーステアが発生してしまい、タイヤウオールに突っ込んでしまったのです」
「とは言えポジティブな事もありました。ストフェルは今週末、ドライビングやマシンに対する自信という点で前進しました。また、ジェンソンは自身が今もなお偉大なチャンピオンであることを知らしめ、F1というスポーツにおけるファンタスティックなアンバサダーである事を示してくれました。最後になりますが、インディ500を戦うフェルナンドと仲間たちにの健闘を祈りたいと思います」
ブーリエがエールを送ったフェルナンド・アロンソは、インディ500決勝レースで度々先頭に立つなど印象的な走りを見せたが、最終的にはエンジンブローによりリタイヤを喫した。今年のインディ500を制したのは佐藤琢磨であった。2017年第6戦F1モナコGP決勝レースの詳細については、F1モナコGP《決勝》結果とダイジェストを参照されたい。