記者会見に出席するキミ・ライコネン
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モナコGP予選後記者会見で言葉を荒げたキミ・ライコネン、その真相は? / 2017年F1モナコGP予選

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129戦、9年ぶりのポールポジションを獲得したフェラーリのキミ・ライコネン。F1モナコGP予選後に行われた記者会見ではライコネンに質問が集中した。モナコGPで完璧なラップを走ることの難しさについて語ったライコネンだが、会場からの礼節を欠いた一部の質問に対しては、声を荒げる場面もあった。

会見冒頭、ポール獲得についての感想を求められたライコネンは、満足はしているものの予選での1番手が必ずしも明日の優勝につながるわけではない、と慎重な姿勢を見せる。

「スタートという点ではポールは最適なポジションだけど、明日については何も保証してくれない。まあ喜んでるよ。完璧とは言えないけど、完璧なラップなんてありはしないからね。ネバーエンディング・ストーリーみたいなものさ。マシンにはすごく満足してるし、コース上に出ていったタイミングも良かったんだ。僕自身にとってもチームにとってもハッピーだよ。明日は2台がフロントローからスタートすることになるから、最善を尽くすよ」

週末を通してはセバスチャン・ベッテルの方が先行していたが、ライコネンは最終的にベッテルを下しポールを獲得した。予選では路面温度や何かのコンディションの変化が優位に作用したのか?と質問されたライコネンは何も変わっていないと語る。

「いいや、僕はそうは思わないよ。ここではほんの少しの差が大きな違いをもたらすものなんだ。少しでもタイヤがオフしているような気がしたり、そういったことを感じてしまうと速く走ることは出来ないし、低速コーナーでは大きくタイムを失ってしまうものなんだ。1周を完璧にまとめ上げるのは本当に難しいんだよ。ベストな感触を得られたドライバーだけが限界でプッシュできるんだ」

ライコネンの意見には2番手のセバスチャン・ベッテルも全面的に同意している。限界を超えた100分の1秒の争いにおいては、部外者が傍から見て分かるような単純な物事で勝負が左右されるわけではないと主張する。

「僕もそうは思わないな。木曜や今朝のセッションでは、キミはトラフィックに捕まってしまいリズムを作ることができなかったんだよ。キミが言ったように、予選ではキミがラップを完璧にまとめたんだ。僕は彼よりも少し手こずってしまった。最終的に彼のほうが速くて彼が前に出た。それだけの事だよ」

記者会見後半、5戦を終えてベッテルとは大きなポイント差があるけど…と前置きの上、スタート直後の1コーナーでベッテルときわどい勝負になったらどうするか?との質問には、温厚なポーカーフェイスのアイスマンも若干不機嫌な素振りを見せた。

「去年、今年のレースと同じで何も違わないよ。僕らは僕らが何をしているかは分かってる。僕らはチームのためにレースをしているし、僕らには決め事と互いに対するリスペクトを持ってる。バトルは許可されてるけど、クリーンに戦わなきゃならないし、他の車をレースから退場させてはならないんだ」

追い打ちをかけるように、今夜はチーム内で明日のスタートについての話し合いが持たれるのでは?との質問が飛んだのには、流石のライコネンもキレ気味に答えた。

「どうして皆が、明日はこれまでの2年間とは違うと考えるのか分からないよ。何も変わってないんだ。何もないところから下らない話を作り上げようとするのはやめてくれ」

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