インタビューに応じるハースのミック・シューマッハ、2022年3月24日F1サウジアラビアGP
Courtesy Of Haas

ミック・シューマッハ、時速270kmの大事故翌日に早くもカムバック「レースができる位に元気」

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見る者を恐怖に陥れた衝撃的な大事故を経て、ハースF1チームのミック・シューマッハがその翌日に早くもパドックに戻り元気な姿を見せた。あれほどの衝撃を受けたにも関わらず、体の痛みはないというから驚きだ。

F1サウジアラビアGP予選でシューマッハ駆るVF-22は曰く、時速270km近い高速のままコンクリートウォールにほぼ真正面から激突。エンジンを含むリアエンドが脱落する程のダメージを負い、全損に近い姿に成り果てた。衝撃は33Gに達した。

予選は1時間近くに渡って中断され、シューマッハは念のために地元病院にヘリで搬送されたものの、24時間も経たない内にジェッダのパドックへと戻った。ヘイローや強化されたシャシーを含む近代F1マシンの安全性の高さが改めて証明された形だ。

パドックでインタビューに応じたシューマッハは、50周の過酷なレースを戦い抜くだけの十分な体調にあるとしながらも、2週間後に控える第3戦オーストラリアGPに万全の状態で挑む事を優先して第2戦の決勝を欠場する事にしたと説明した。

もし許されるのであればレースに出場できる状態かと問われたシューマッハは「うん、身体的には問題ないよ」と即答した。

「でも、メルボルンでレースをするためにはクルマとパーツを保存しておく事が重要なんだ」

「メルボルンは初のQ3進出とポイントを獲得するにはもってこいの場所だと思うしね」

事故は縁石に乗り上げた事を起点に発生した。シューマッハは「もちろん、色々考える事はあるよ」と述べ、クラッシュを避ける術があった可能性を認めた。

「もっと上手くやれたんじゃないか、もっと違ったやり方があったんじゃないかってね。でも結局の所、最終的には前に進まなきゃならないわけで、僕らが目標としているのは今も変わらずQ3とポイントなんだ」

昨年のF1デビューイヤーを無開発のマシンで戦ってきたシューマッハはまだ、予選最終ラウンドに進んだ事がない。だがチームメイトのケビン・マグヌッセンが前戦で5位入賞を果たした様に今季型VF-22の競争力は高く、シューマッハ本人もFP2で13番手、FP3で12番手を刻んで目標の実現に近づいていた。

事故がなければQ3に手が届く可能性はあったと思うか?と問われたシューマッハは「かなり、かなり近いところにいたと思う」と答えた。

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