ミシュラン、復帰に向けF1と協議…それでもタイヤ供給入札に参加しない理由

IMSAスポーツカー選手権に供給されているミシュランタイヤCourtesy Of Michelin

ミシュランは復帰に向けてF1と「非常に長い期間に渡って議論」を重ねてきたものの、シリーズが「自己破壊」的な仕様を求める限り、タイヤ供給入札に参加する気はないという。

フランス・ クレルモン=フェランのタイヤメーカーはブリヂストンとのタイヤ戦争を経て2006年末に4輪最高峰クラスから撤退。その後はFIA世界耐久選手権(WEC)やMotoGP、フォーミュラE、世界ラリー選手権(WRC)、SUPER GTなどに関与している。

2011年以降、F1ではイタリアのタイヤメーカー、ピレリがシリーズへの独占供給契約を結んでいるが、2024年末で満了を迎える事から統括団体の国際自動車連盟(FIA)は今年3月、2025年からの3シーズンに渡る新たな独占タイヤ供給契約に関する入札を開始した。

入札期限の5月15日が迫る中、ミシュランのフロラン・メネゴー最高経営責任者(CEO)は「The Drive」とのインタビューの中で、デグラデーションを要求する限りF1に復帰する事はないと強調した。

「問題は、どのようにテクノロジーを活用して良いショーを作り上げるかという点にある。我々は長い間に渡ってF1と議論してきたが意見が一致していない」とメネゴーは語る。

「それは、ショーのためには自壊するタイヤが必要だとF1が言っているためだ。我々はその方法を知らない。故に同意できない」

「チームは、タイヤのパフォーマンスを理解し、最初の1周目から最後の1周までタイヤの性能を活用できるようにあるべきだ。ドライバーはいつだって常に限界で走りたいと言う」

2025年以降のF1タイヤに関しては、タイヤの性能劣化に関して具体的な数値が定められている。

ミシュランがモータースポーツに関わり続けている理由についてメネゴーは「新しいテクノロジーを迅速にテストするための最善」の場であるためだとして、ショーやブランド認知は「副次的なメリット」に過ぎないと説明した。

「MotoGPでは、あらゆる種類のサーキット、すべてのレースにおいて、ソフト、ミディアム、ハードの各タイヤを提供しているが、どのようなバイクであれ、タイヤを変える必要なく勝利することができる」とメネゴーは続ける。

「そしてそれは、バイクのセットアップ、サーキットの種類、ライダーのライディングによってなされるのだ」

「我々がレギュレーションに影響を与えることで、遥かに少ない材料で良いショーを作りながらパフォーマンスが得られるようになるならば、それで構わない」

「MotoGPではトップレーシングチームでなくとも勝ち取ることができる。そして彼らは、我々が提供するタイヤがその手助けをしていると言うだろう」

「だから我々はF1に戻っていないのだ」

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